大野が加入
日本ハムからFA宣言した大野奨太が中日に入団した。
大野は岐阜総合学園高から東洋大を経て、2008年のドラフト1位で入団。東洋大時代の3年秋から4年秋にかけてチームを全国大会3連覇に導くと、プロ入り後も日本ハムで3度のリーグ優勝と1度の日本一に貢献した。
特に2016年はチーム最多の108試合でマスクをかぶり、盗塁阻止率は.310を記録。一時首位・ソフトバンクに11.5ゲーム差をつけられながら、投手陣をけん引した大野の存在もあり、チームは大逆転優勝を飾った。日本シリーズでは敵地・マツダスタジアムで連敗スタートとなりながら、4連勝を飾り日本一に。その活躍が認められ、シーズン後には『第4回 ワールドベースボールクラシック』の日本代表にも選出されている。
しかし、今シーズンは83試合の出場にとどまり、盗塁阻止率も.098と低迷。シーズン終了後には右肘の手術を行った。
近年の捕手事情
一方、最近10年の中日の捕手最多出場選手を見ると、谷繁元信という扇の要がいた。2014年から2015年までは「監督兼選手」だったこともあり、出場試合数は減っていったが、それまではチームの正捕手として最も多くの試合でマスクをかぶっていた。谷繁氏が加入した2002年以降、中日は球団史上最多となる11年連続(02年~12年)Aクラスを達成しており、常勝ドラゴンズの陰に谷繁氏の存在があったことは間違いない。
【最近10年間の捕手最多出場選手】
08年(3位):谷繁元信(113試合)
09年(2位):谷繁元信(114試合)
10年(1位):谷繁元信(109試合)
11年(1位):谷繁元信(100試合)
12年(2位):谷繁元信(131試合)
13年(4位):谷繁元信(122試合)
14年(4位):谷繁元信( 87試合)
15年(5位):杉山翔大( 61試合)
16年(6位):杉山翔大(101試合)
17年(5位):松井雅人( 84試合)
16年は杉山翔大がチーム最多の101試合(スタメン86試合)に出場したが、今季は打撃不振などもあり、松井雅人が84試合(スタメン68試合)に出場。捕手を一人に固定する必要はないかもしれないが、年齢層的にも、一軍捕手としての経験値的にも、大野奨太にかかる期待は大きい。近年の課題とされてきた“捕手”に新たなピースを加えた中日が、6年ぶりのAクラス入りを目指し巻き返しを図る。
【2016年の先発マスク】
杉山翔大(26歳):86試合
桂依央利(26歳):51試合
木下拓哉(25歳):4試合
松井雅人(30歳):2試合
【2017年の先発マスク】
松井雅人(30歳):68試合
杉山翔大(26歳):29試合
木下拓哉(25歳):27試合
武山真吾(33歳):19試合
※年齢は2017年12月15日時点