春先は中井が出場も
巨人の二塁手は、近年の課題のポジションのひとつと言われている。昨季は15年二塁手のゴールデングラブ賞を受賞したクルーズをロッテから獲得し、レギュラーの固定を図った。しかし、クルーズは故障による離脱やチーム方針に従わないプレーなどもあり、78試合の出場にとどまりレギュラー定着に至らなかった。
迎えた今季はクルーズが外国人枠の関係で二軍スタートとなり、開幕から二塁のポジションに中井大介が入った。レギュラーを掴み取るチャンスだったが、目立った活躍ができず、次第に出番を減らしていく。
クルーズが昇格するも
5月下旬から6月上旬にかけてチームは大型連敗と苦しいチーム状況となり、守護神のカミネロを登録抹消し、クルーズが6月2日に初昇格を果たした。
起爆剤として活躍が期待されたが、同日のオリックス戦に『5番・二塁』で出場するも5打数0安打。
『ニッポン放送ショウアップナイター巨人-オリックス戦』で解説を務めた江本孟紀氏は「昇格してきてなんとか俺がという気持ちは分かりますけど、フォームが悪い。このフォームじゃ打てませんよ。外角中心で1球も内角がない」とバッサリ。結局、クルーズは6月12日に登録抹消となり、7月26日に金銭トレードで楽天へ移籍した。
解説陣が山本を評価
クルーズが抹消された後、二塁を任されたのがプロ2年目の山本泰寛だ。『2番・二塁』で出場することが多かった山本は、右打ち、バント、進塁打など2番打者としての役割をきっちり果たした。
若松勉氏が「バントも上手いし、打席内の粘りですよね。ボールに対する粘りがいい。なんでもできる打者」(6月24日放送のニッポン放送ショウアップナイター 巨人-中日戦)と評価すれば、大矢明彦氏も「プレーが丁寧にしっかりできれば、レギュラーが獲れる。結構いい感性を持っている。広島の菊池タイプ」(6月17日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-ロッテ戦』)とべた褒め。
ショウアップナイター解説陣が高く評価したが長くは続かず、7月に入るとベンチを温める試合が増え、レギュラー奪取とはならなかった。
マギーが入り安定
二塁を固定できなかったことに加え、打線全体が低調だったこともあり、開幕から三塁を守っていたマギーが7月12日のヤクルト戦から二塁に回った。
オールスター明けのマギーの打率は、.339を記録するなど、結果的に大胆なコンバートは成功。7月29日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-DeNA戦』で解説を務めた大矢明彦氏は「マギーの2番はどうなのかなという心配があった」としながらも、「(2番に)置いてみたら意外と効果があった。意外と相手投手が嫌がる。2番打者で良かったなという印象です」と振り返った。
チーム事情で夏場以降は、マギーが二塁のポジションに入ったが、現実的には二塁手の固定というところに課題を残した。来季こそ、二塁手の固定問題を解決したいところだ。
【二塁手の今季出場試合数】
寺内崇幸 62試合
マギー 61試合
中井大介 54試合
山本泰寛 22試合
辻 東倫 8試合
クルーズ 7試合
脇谷亮太 5試合
吉川尚輝 2試合
(ニッポン放送ショウアップナイター)