人的補償に驚きの声
西武は18日、FAで巨人に移籍した野上亮磨の人的補償として高木勇人の獲得を発表した。
2014年のドラフト3位でプロ入りした右腕は、1年目の3・4月にいきなり月間MVPを獲得するなど大活躍。後半はやや勢いが落ちたものの、最終的には9勝10敗、防御率3.19という成績を残し、将来のローテーションの柱として期待された。
ところが、2年目は安定感を欠いた投球が目立ち、今季はバントを試みた際に投球を直接指に受けるという不運な負傷で長期離脱。一軍登板はキャリア最少の16試合に留まり、わずか1勝(2敗)に終わっている。
やはり1年目のセンセーショナルな活躍の印象が強いだけに、ファンの反応を見ても「高木勇人がプロテクトされていないのか」という驚きの声が多い印象。思えばつい先日は阪神が大和の人的補償にルーキーイヤーを終えたばかりという尾仲祐哉を指名。このオフは例年以上にファンを驚かせる移籍が続いている。
【ここまでに決定しているFA移籍】
・11月30日 増井浩俊(日本ハム→オリックス) ※推定ランクA
・12月1日 大和(阪神→DeNA) ※推定ランクB
・12月4日 野上亮磨(西武→巨人) ※推定ランクB
・12月13日 大野奨太(日本ハム→中日) ※推定ランクB
ほかにもFA権を行使している選手はいるが、現時点で移籍が成立しているのは上記の4名。このうち阪神と西武は上述の通り人的補償を選択しており、残すは主力2名が流出した日本ハムの決断を待つのみとなっている。
果たして、日本ハムはどんな補償を選択するのか。今後も目が離せない。
FA補償のルール
☆移籍した選手の年俸でランクが決まり、補償の規模が変わる。
【FA補償おさらい】
▼ Aランク(外国人選手を除くチーム内の年俸上位1位~3位)
・人的補償 + 年俸の50%相当の金銭
or
・年俸の80%相当の金銭
▼ Bランク(外国人選手を除くチーム内の年俸上位4位~10位)
・人的補償 + 年俸の40%相当の金銭
or
・年俸の60%相当の金銭
▼ Cランク(外国人選手を除くチーム内の年俸上位11位以下)
補償の必要なし
人的補償のルール
上述の通り、Bランク以上の選手の移籍には補償が伴う。金銭か、金銭プラス人的補償になるのか。FA選手の動向以上に注目が集まる。
【人的補償おさらい】
▼ FA権を行使して他球団へ移籍したFA選手が補償対象選手(=Bランク以上)の場合…
・選手の旧年俸による金銭補償
・金銭補償と前球団が指名した選手1名を与える人的補償
のいずれかを支払わなければならない。
※人的補償に指名された選手がこれを拒否した場合、その選手は資格停止選手となる。
▼ ただし、以下の選手は人的補償選手として獲得する事ができない。
・プロテクトした28名の選手
・FA権取得により日本人扱いになった選手を含む外国人選手
・直近のドラフトで獲得した新人選手
※なお、以下の日本人選手はプロテクト枠に含まれなければ人的補償の対象になる。
・支配下選手登録されたトレード、自由契約選手
・複数年契約選手
人的補償の歴史
1. 川辺忠義(巨人→日本ハム)☆河野博文の補償
2. 平松一宏(巨人→中日)
☆前田幸長の補償
3. ユウキ(近鉄→オリックス)
☆加藤伸一の補償
4. 小田幸平(巨人→中日)
☆野口茂樹の補償
5. 江藤 智(巨人→西武)
☆豊田清の補償
6. 吉武真太郎(ソフトバンク→巨人)
☆小久保裕紀の補償
7. 工藤公康(巨人→横浜)
☆門倉健の補償
8. 赤松真人(阪神→広島)
☆新井貴浩の補償
9. 岡本真也(中日→西武)
☆和田一浩の補償
10. 福地寿樹(西武→ヤクルト)
☆石井一久の補償
11. 高浜卓也(阪神→ロッテ)
☆小林宏之の補償
12. 藤井秀悟(巨人→DeNA)
☆村田修一の補償
13. 高口隆行(ロッテ→巨人)
☆サブローの補償
14. 馬原孝浩(ソフトバンク→オリックス)
☆寺原隼人の補償
15. 高宮和也(オリックス→阪神)
☆平野恵一の補償
16. 鶴岡一成(DeNA→阪神)
☆久保康友の補償
17. 一岡竜司(巨人→広島)
☆大竹寛の補償
18. 藤岡好明(ソフトバンク→日本ハム)
☆鶴岡慎也の補償
19. 脇谷亮太(巨人→西武)
☆片岡治大の補償
20. 中郷大樹(ロッテ→西武)
☆涌井秀章の補償
21. 奥村展征(巨人→ヤクルト)
☆相川亮二の補償
22. 金田和之(阪神→オリックス)
☆糸井嘉男の補償
23. 平良拳太郎(巨人→DeNA)
☆山口俊の補償
24.尾仲祐哉(DeNA→阪神)
☆大和の補償
25.高木勇人(巨人→西武)
☆野上の補償