阪神・DeNAが『60試合クインテット』形成
現代野球において、その地位が急速に高まっているポジションと言えばリリーフ陣。強いチームには、リードを保ったまま試合を終わらせる“勝利の方程式”の存在がある。
たとえば、今季セ・リーグ2位に躍進した阪神。特にその安定感を支えていたのが、ブルペンに控える男たちだった。
【阪神・リリーフ陣】
66試合 岩崎 優 [成績] 4勝1敗15ホールド 防2.39
63試合 マテオ [成績] 7勝4敗36ホールド 防2.75
63試合 ドリス [成績] 4勝4敗5ホールド・37セーブ 防2.71
61試合 高橋聡文 [成績] 6勝0敗20ホールド・1セーブ 防1.70
上述のように、今季は5名も60試合以上に登板した投手が誕生。これはプロ野球史上初の快挙であった。全員が年間を通じて安定した働きを見せ、前年4位からの躍進に一役買った。
来季は岩崎に先発再挑戦の噂が出ているものの、今季52試合に登板している藤川球児をはじめ、期待の石崎剛らが控えている状態。2年連続の記録にも期待がかかる。
また、先に達成した阪神の影に隠れてしまっているが、実はDeNAも60試合以上に登板した投手が5名いる。DeNAも最終的には3位に入り、クライマックスシリーズを勝ち上がって日本シリーズ進出を果たした。
【DeNA・リリーフ陣】
68試合 山崎康晃 [成績] 4勝2敗15ホールド・26セーブ 防1.64
62試合 砂田毅樹 [成績] 1勝2敗25ホールド 防4.12
62試合 パットン [成績] 4勝3敗27ホールド・7セーブ 防2.70
61試合 三上朋也 [成績] 3勝3敗31ホールド 防5.12
60試合 田中健二朗 [成績] 1勝3敗11ホールド 防4.47
“連続”記録で見ると…
このように阪神・DeNAだけで10名、両リーグ合わせて21名が60試合以上に登板を果たしたという2017年だったが、“連続記録”という点で見ると止まってしまった選手が多い。まずは記録を継続させた選手から紹介しよう。
【複数年連続で60試合以上に登板】
4年連続 サファテ(ソフトバンク)
4年連続 福山博之(楽天)
2年連続 今村 猛(広島)
2年連続 ルーキ (ヤクルト)
2年連続 ジャクソン(広島)
2年連続 田中健二朗(DeNA)
この6名は60試合登板の記録を継続。来季からはサファテと福山が最長記録保持者として新シーズンに挑む。
一方、今季開幕時点で最長記録を持っていたのが、巨人の左腕・山口鉄也だ。なんと9年連続で60試合以上に登板を果たしていた。
10年連続の偉業に挑んだ今季だったが、序盤から打ち込まれるケースも多く、デビュー以来最少の18試合の登板に留まった。273ホールドというプロ野球記録保持者であるが、今季挙げたホールドは3つだけ。前人未到の300ホールド到達へ、来季復活を期す。また、山口のチームメイトであるスコット・マシソンも、今季は59試合の登板に終わり、あと一歩のところで5年連続60試合登板に届かなかった。
継続することの難しさ
ほかにも、史上初の3年連続70試合以上登板という記録に挑んだヤクルト・秋吉亮は、故障の影響が大きく43試合の登板でストップ。3年連続の70試合と、4年連続の60試合登板、どちらの記録も継続とならなかった。
また、先発起用もあった中日・又吉克樹や、途中で離脱のあった西武・武隈祥太、広島・中崎翔太、そして巨人の沢村拓一といったところが「60」の大台に届かず。記録がストップしている。
鉄腕と呼ばれる男たちでも、毎年コンスタントに60試合以上登板するというのは至難の業。今季60試合以上に登板した21名のうち、来季は何人がその記録を継続することができるのか。奮闘するリリーフ陣に注目だ。
【連続記録が途切れた選手】
▼ 山口鉄也(巨人)
08年:67試合
09年:73試合
10年:73試合
11年:60試合
12年:72試合
13年:64試合
14年:60試合
15年:60試合
16年:63試合 ☆9年連続
17年:18試合
▼ スコット・マシソン(巨人)
13年:63試合
14年:64試合
15年:63試合
16年:70試合 ☆9年連続
17年:59試合
▼ 秋吉 亮(ヤクルト)
14年:61試合
15年:74試合
16年:70試合 ☆3年連続
17年:43試合
▼ 又吉克樹(中日)
14年:67試合
15年:63試合
16年:62試合 ☆3年連続
17年:50試合
▼ 武隈祥太(西武)
15年:67試合
16年:64試合 ☆2年連続
17年:58試合
▼ 中崎翔太(広島)
15年:69試合
16年:61試合 ☆2年連続
17年:59試合
▼ 沢村拓一(巨人)
15年:69試合
16年:63試合 ☆2年連続
17年:0試合