新加入のアルメンゴ、山田大にも期待
2017年も主力に故障者が相次ぎ、球団ワーストの96敗(45勝2分け)を喫したヤクルト。契約更改では山田哲人が7000万減、石川雅規が6000万減(金額はいずれも推定)でサインするなど、主力選手のダウン提示が続いている。
厳冬となっている今オフだが、巻き返しへ準備は着々と進めている。首脳陣は4年ぶりに復帰する小川淳司監督の下、チームOBの宮本慎也氏をヘッドコーチに据えた。さらに、広島に37年ぶりの連覇をもたらした石井琢朗打撃コーチと河田雄祐外野守備走塁コーチが加入。秋季キャンプにも参加した石井コーチは、「技術以上に意識を変えることで、チームが変わっていくと思う」と手応えを語った。
戦力面では、ここまで投手補強が目立っている。ドラフト以外では、抑え候補として前カブス3A右腕のカラシティー、先発候補では前中日のジョーダン(ヤクルトでの登録名はアルメンゴ)を獲得。さらに、ソフトバンクから山田大樹を無償トレードで迎え入れ、手薄だった先発陣に実績のある左腕2枚が加わった。
中尾は課題の制球面が安定
既存戦力では、イースタン選抜として『2017 アジア・ウインターベースボールリーグ』に参加した若手が結果を残した。4年目の岩橋慶侍は3試合に先発し1勝2敗、防御率6.60と苦戦したが、8試合(1先発)に登板した高卒新人の寺島成輝は、15回1/3を投げ、防御率1.17を記録。準決勝の社会人選抜戦は先発を任され、4回無失点の好投でチームを決勝進出へ導いた。
大卒新人の中尾輝も、自慢のスライダーを武器に、9試合の救援登板で防御率0.93をマーク。準決勝、韓国プロ選抜との決勝では2戦連続の好リリーフを見せ、チームの逆転優勝に大きく貢献した。
投手陣全体が振るわなかった今季のヤクルトだが、特に左腕投手の不振が顕著で、継投のバリエーションが乏しかった。だからこそ、新加入のアルメンゴや山田大、そして貴重な経験を積んだ武者修行組にかかる期待は大きい。
ウインターリーグでは、奥村展征、渡邉大樹、古賀優大ら、野手陣も要所で活躍。この経験を来季へつなげ、戦力底上げの一翼を担いたい。