大型補強実らず、今季は11年ぶりBクラス
昨オフ、総額30億円と言われた大補強を行った巨人だったが、今季の結果は11年ぶりのBクラス。5月下旬から球団ワーストの13連敗を喫し、最後まで歯車が噛み合わないまま4位でシーズンを終えた。
大金をつぎ込んだFA組が期待を裏切り、ベテランと助っ人頼みで打線は、こちらも球団ワーストとなる129併殺打を記録。シーズン終盤はDeNAとのAクラス争いに屈し、導入11年目にして初めてクライマックスシリーズ進出を逃した。
鹿取義隆GMは今オフ、「若返りを図るため」との理由で、ベテランの村田修一を自由契約という形で放出。ただ、FA戦線で前西武の野上亮磨、新外国人として前中日のゲレーロを獲得し、補強の手は緩めなかった。
岡本は開幕一軍も結果残せず、桜井は2年間で未だ0勝
4年ぶりV奪還へ、補強組の活躍は必須。だが一方で、若手の突き上げがなければチームの将来は見えてこない。特に近年は、ドラフト1位で獲得した選手が不発続き。来季こそ若手ドラ1の爆発に期待したいところだ。
その筆頭が、期待の和製大砲・岡本和真。高卒3年目の今季は「7番・左翼」で開幕スタメン入りを果たしたものの、結果を残せず4月中旬に二軍落ち。結局、一軍では打率.194、0本塁打、2打点に終わり、苦しむチームの起爆剤になれなかった。来季は村田が着用していた背番号『25』を継承。殻を破り、巻き返しのキーマンになれるか注目される。
16年のドラ1大卒右腕・桜井俊貴は、過去2シーズンで未だ0勝(2敗)。今季は中継ぎとして19試合に登板したが、防御率5.67と安定感を欠いた。球団は先発として期待しており、3年目の来季は万能型右腕として一軍定着を目指す。
大卒ナンバー1野手として今季加入した吉川尚輝は、上半身のコンディション不良で出遅れ、一軍出場わずか5試合に終わった。しかも、両リーグの新人王を同じ内野手の京田陽太(中日/2位指名)と源田壮亮(西武/3位指名)が受賞。悔しさを胸に、来季は正二塁手の座をつかみ、1年遅れの新人王奪取を目論む。
今年のドラフトで1位指名されたのは、本格派右腕の鍬原(くわはら)拓也。1学年後輩にあたる岡本とは中学時代に所属したシニアのチームメイトで、若き大砲とのお立ち台共演を目標に掲げる。
ここ10年、ドラフト1位で加入した長野久義、沢村拓一は新人王に輝き、菅野智之、小林誠司は直近のリーグ3連覇に貢献した。若手の底上げがチーム全体の課題でもあるが、その中でもドラ1組には旗印として奮起してほしいところ。今シーズン頭角を現した畠世周、宇佐見真吾らとともに、来季は若手が随所に躍動する姿をファンに届けたい。