今季は3球団でプレーした青木宣親

◆ 今季は3球団でプレー

 青木宣親にとって、2017年は“落ち着かない”シーズンとなった。

 メジャー6年目の今季開幕を自身5球団目となるヒューストン・アストロズで迎えた。しかし、7月にトロント・ブルージェイズにトレードされると、1か月後には戦力外通告を受けフリーエージェントに。9月初旬に、ニューヨーク・メッツに拾われまずまずの成績を残したが、シーズンオフに自由契約となり、来季の去就は現時点で未定だ。

 メジャー1年目から5年連続で打率2割8分台をキープしていた青木だが、17年の3チーム合算打率は自己ワーストの.277に終わった。また例年3割5分前後で推移していた出塁率も.335と、最大の武器でもある打率、出塁率の2項目で不本意な数字が残った。しかし長打率は、メジャー1年目の.433に次ぐ.393と健闘。特にオールスター後は48試合で4本塁打を放つなど、後半戦の長打率は.462と高い数字を残した。

 パワー面だけでなく、スピード面でも復活の兆しを見せた。盗塁数は2年ぶりに2ケタ(10個)に到達。盗塁成功率は、前年の43.8%(企図16回、7回成功)から83.3%(企図12回、10回成功)へと大きく改善した。

 守備面でも、左翼と右翼を中心に、外野の全ポジションをこなした。UZRという守備指標では、16年の「-5.0」から17年は「-1.5」へと改善。3チームを渡り歩く“多忙な”シーズンにもかかわらず、走攻守で適応力の高さを示した。

 打撃の話に戻すと、青木の特長の一つ「粘り強さ」は相変わらず。2ストライク時の打率.245は、自身メジャー通算の.227を僅かながら上回った。

 一方ではっきりとした課題も浮き彫りになった。球種別の成績を見ると、フォーシームに対する打率は、自己ワーストの.246に終わった。12年から16年の5年間は全てのシーズンで打率.327以上を記録していたが、今季は“真っすぐ”を打ち損じる場面が多かった。逆にチェンジアップに対しては、5年連続で打率.250以下だったが、今季は.327とオフスピードピッチにはうまく対応していた。

 青木は、1月に36歳の誕生日を迎えるが、出場機会さえあれば、再び2割8分台の打率を残す力はあるはず。本人は来季もメジャー残留を希望しているとされるが、越年は必至。来季は落ち着いた環境でプレーすることはできるだろうか。

▼ 青木宣親

生年月日:1982年1月5日(35歳)
身長/体重:175センチ/80キロ
投打:右投左打
ポジション:外野手
経歴:日向高-早稲田大-ヤクルト(03年D4)-ブリュワーズ-ロイヤルズ-ジャイアンツ-マリナーズ-アストロズ-ブルージェイズ-メッツ
[今季成績] 110試 率.277(336-93) 本5 点35
[通算成績] 759試 率.285(2716-774) 本33 点219

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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