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“未完の大器”ではいられない…巨人・岡本和真のタイムリミット

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巨人の岡本和真(C)KYODO NEWS IMAGES

衝撃を与えた「村田退団」


 いよいよ2017年も残り1週間を切った。各チームが新年に向けて準備を進めている中、このオフ特に大きな衝撃を与えたニュースと言えば、巨人・村田修一の自由契約だろう。

 2011年のオフにFAで巨人に移籍して以降、実に3度のリーグ制覇を達成。2012年には悲願の日本一も経験した。個人としても三塁の主戦としてベストナインとゴールデングラブ賞も3回ずつ受賞するなど、巨人でも不動の地位を築いていたが、今季はケーシー・マギーの加入もあって出場機会が激減。それでも、マギーが二塁に回った後半は流石の存在感を発揮していただけに、自由契約の一報は大きな衝撃をもって伝えられた。

 その村田の去就問題が長引く中、巨人は岡本和真に背番号「25」を授けることを発表。球団からの「次の三塁はキミだ」というメッセージにも取れる出来事だけに、これを機に殻を破ることができるかというところに大きな注目が集まる。


伸び悩む“未完の大器”


 岡本と言えば、2014年のドラフト1位で巨人に入団した高卒3年目・21歳の内野手。将来の主砲として大きな期待を受けて入団したものの、ここまでの一軍出場は35試合に留まり、打率.188、本塁打もルーキーイヤーの1本だけとなっている。

 それでも、ファームでは96試合の出場で打率.270、本塁打10、打点55と圧巻の成績。あとは一軍で結果を残すだけ…というところまでは来ているものの、これまでは村田修一という大きな壁や分厚い選手層を前にチャンスを掴むことができず、なかなか一軍で経験を積むことができていない。

 その点、村田が退団した来季はチャンスが確実に増える。しかし、ここであっさりとポジションをもらえるほど甘い世界ではないのは本人も分かっていることだろう。二塁に活きの良い若手がいれば、マギーは無理に二塁に就くことなく三塁に回ることだって考えられる。特に周囲からの注目も大きい巨人というチームにおいては、首脳陣にガマンしてもらえる時間も長くない。

 2000年以降、巨人は14人の高卒野手(※捕手は除く)を指名してきたが、そのうちレギュラーに定着しているのは坂本勇人ただひとり。移籍して花開いた大田泰示(現日本ハム)や、頭角を現しかけている奥村展征(現ヤクルト)という例はあるものの、どの選手も少ないチャンスを掴むことができずに苦しんでいる。
 

【近年の巨人・高卒野手】
※2000年以降、捕手は除く

▼ 2014年
・1位:岡本和真(智弁学園高)
[通算] 35試 率.188(69-13) 本1 点6

▼ 2013年
・2位:和田 恋(高知高)
[通算] 一軍出場なし

・4位:奥村展征(日大山形高)
[通算] 48試 率.227(119-27) 本0 点5
※現在はヤクルト所属

▼ 2012年
・3位:辻 東倫(菰野高)
[通算] 35試 率.203(69-14) 本0 点1

▼ 2011年
・5位:高橋 洸(日本文理高)
[通算] 一軍出場なし
※現在は育成契約

▼ 2008年
・1位:大田泰示(東海大相模高)
[通算] 343試 率.243(863-210) 本24 点86
※現在は日本ハム所属

・4位:橋本 到(仙台育英高)
[通算] 393試 率.243(946-230) 本9 点79

▼ 2007年
・高校1位:藤村大介(熊本工高)
[通算] 294試 率.226(689-156) 本0 点27
※今季限りで現役引退

・高校3位:中井大介(宇治山田商高)
[通算] 275試 率.252(575-145) 本10 点48

▼ 2006年
・高校1位:坂本勇人(光星学院高)
[通算] 1418試 率.286(5444-1559) 本165 点639

・高校3位:田中大二郎(東海大相模高)
[通算] 31試 率.135(52-7) 本0 点1
※2012年に現役引退

▼ 2002年
・4位:長田昌浩(東海大望洋高)
[通算] 17試 率.000(18-0) 本0 点0
※2007年にオリックスへ移籍、2010年に現役引退

・5位:山本光将(熊本工高)
[通算] 一軍出場なし
※2008年に現役引退

▼ 2006年
・6位:山下浩宜(九州共立大八幡西高)
[通算] 一軍出場なし
※2003年に現役引退


岡本の“猶予”は…


 この中で、岡本とより近いタイプというと中井大介になるか。

 2007年の高校生ドラフト3位で巨人に入団。スケールの大きな和製大砲候補として期待を受けるも、チャンスをもらいながらモノにすることができていなかった。

 それでも、今季は開幕スタメン入りを果たすなど、キャリア最多の90試合に出場。9月26日のヤクルト戦では、記念すべき球団通算1万号本塁打を放つなど、一軍で存在感を発揮している。

 その中井は一体どれだけのチャンスをもらっていたのかというと、以下の通り。

【中井大介・出場数】
2009年:18試合・33打席
2010年:6試合・7打席
2011年:2試合・2打席
2012年:16試合・31打席
2013年:48試合・149打席
2014年:23試合・52打席
2015年:29試合・47打席
2016年:43試合・61打席
――――
☆合計:185試合・382打席


 2013年に48試合の出場で打率.324をマークした年もありながら、レギュラー定着とはならず。そこから少し時間がかかったものの、昨季までに一軍で382打席に立っていた。

 また、同じドラフト1位で入団した大田泰示も見てみると、昨年までに225試合・474打席に立っている。中井よりも多くのチャンスをもらいながら頭角を現すことはできず、それでも環境の変化も味方につけて2017年にブレイクを果たした。

 この2人の例を見ると、およそ400打席から長くても500打席というところがひとつのリミットになるか。あと300~400打席を「もある」と見るか、「しかない」と見るか…。岡本にとって、来季は勝負の一年になる。



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