苦しんだ外野陣
11年ぶりにBクラスに沈んだ巨人は今季、外野手に苦しんだ印象だ。長野久義が外野でチーム最多の127試合に出場したが、FAで日本ハムから加入した陽岱鋼は故障で出遅れたこともあり87試合にとどまった。レギュラー獲りが期待された立岡宗一郎、橋本到、重信慎之介といった若手、中堅も目立った活躍ができなかった。
特に春先は日本ハムからFAで加入した陽岱鋼が故障、長野久義は極度の打撃不振、開幕から中堅でスタメン出場した立岡宗一郎がアピールできない状況だった。
存在感を見せた石川
外野手のレギュラーとして期待されていた選手たちが故障や不振で苦しむ中、春先存在感を見せたのが日本ハムからトレードで加入した石川慎吾だ。
『7番・左翼』で出場した4月28日のヤクルト戦では、移籍後初本塁打を含む3安打2打点の大暴れ。同日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター ヤクルト-巨人戦』で解説を務めた若松勉氏は「石川のホームランは非常に大きいですよね」と話した。
このままレギュラーを奪いそうな勢いをみせた石川ではあったが、好調は長くは続かず。シーズンが進むにつれてベンチを温める機会が増え、レギュラー獲りとはならなかった。
復帰後に1番に固定された陽岱鋼
故障で出遅れていた陽岱鋼は、6月6日の西武戦で移籍後初昇格。一軍に昇格してからは1番や6番を任されていたが、夏場からは1番に固定され、2番を打つマギーとともに攻撃的な1・2番を形成した。
8月21日の『ショウアップナイタープレイボール』に出演した田尾安志氏は「1、2番で困っていたところで陽が戻ってきた。2番にバントをしないマギーを置いたということで、攻撃のパターンが増えた気がしますね」と、8月のチーム月間得点はリーグトップの135得点を記録するなど、陽岱鋼が故障から復帰して攻撃力が格段に上がった。
好不調の波が激しかった長野
4月の月間打率.172と苦しんだ長野久義は、陽岱鋼が一軍昇格を果たした6月に月間打率.338を記録マーク。夏場にかけて調子をあげていくかと思われたが、再び下降し、シーズンを通して安定した打撃を披露することができなかった。
8月4日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタープレイボール』に出演した山崎武司氏は長野について、「行き当たりばったりで、真っ直ぐだと決めたら打ってしまう。1球目にとんでもないボールを打って、内野ゴロというのが多いじゃないですか。若いカウントでしっかり自分の打てる球を待って、バッティングをして欲しい」と注文をつけた。
来季はセ・リーグ本塁打王に輝いたゲレーロが巨人に加入する。内野手登録ではあるが、中日でプレーした今季は主に左翼で出場。そうなると、左翼・ゲレーロ、中堅・陽岱鋼、右翼・長野久義が起用されることが予想され、来季は若手、中堅選手の出場機会が減少することが十分考えられそうだ。
【外野手】
長野久義 127試合
陽岱鋼 87試合
亀井善行 82試合
橋本 到 66試合
石川慎吾 65試合
立岡宗一郎 57試合
重信慎之介 35試合
中井大介 21試合
岡本和真 9試合
(ニッポン放送ショウアップナイター)