野上が西武から巨人へ
西武からFA宣言し巨人へ入団した野上亮磨。昨季14勝あげたマイコラスが退団し、エース・菅野智之、2年連続2ケタ勝利を挙げた田口麗斗とともに、先発ローテーションの一角として活躍が期待される。
高橋由伸監督も「当然1年間ローテを守って2ケタ勝って欲しいと思います」と話すように、期待値はかなり高い。昨季自己最多タイの11勝を挙げた野上だが、これまでプレーしていた西武はパ・リーグのチーム。初のセ・リーグで、パ・リーグ時代と同じような投球を見せることができるかは気になるところ。
過去にパ・リーグの球団からセ・リーグの球団へFA移籍した投手を見ると、12人いる。
山沖之彦(オリックス → 阪神/94年オフ)
河野博文(日本ハム → 巨人/95年オフ)
武田一浩(ダイエー → 中日/98年オフ)
工藤公康(ダイエー → 巨人/99年オフ)
星野伸之(オリックス → 阪神/99年オフ)
若田部健一(ダイエー → 横浜/02年オフ)
豊田 清(西武 → 巨人/05年オフ)
藤井秀悟(日本ハム → 巨人/09年オフ)
小林宏之(ロッテ → 阪神/10年オフ)
杉内俊哉(ソフトバンク → 巨人/11年オフ)
成瀬善久(ロッテ → ヤクルト/14年オフ)
森福允彦(ソフトバンク → 巨人/16年オフ)
パからセにFA移籍した1年目は…
先発型の投手では山沖之彦、河野博文、武田一浩、工藤公康、星野伸之、若田部健一、藤井秀悟、杉内俊哉、成瀬善久の9投手。この8人の中で、FA移籍1年目に2ケタ勝利を挙げた投手は工藤公康、杉内俊哉の2人。
工藤はダイエー時代の99年に11勝を挙げリーグ優勝に貢献すると、同年オフにFA宣言し巨人へ移籍。パ・リーグ時代の野球とは異なるセ・リーグでも適応し、1年目に12勝を挙げ、移籍先の巨人でもリーグ優勝の立役者となった。
11年オフにFA宣言しソフトバンクから巨人へ移籍した杉内俊哉は、藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄といった生え抜きのエースが代々着けてきた「18」を与えられた。「18」というエースナンバーをプレッシャーにすることなく、5月30日の楽天戦でノーヒットノーランを達成するなど、12勝4敗、防御率2.04と期待通りの働きを見せた。
その一方で、苦しんだ投手もいる。近年では14年オフにロッテからヤクルトへFA移籍した成瀬善久がその一人。手薄な先発陣を救う働きが求められるも、14試合に先発してわずか3勝に終わった。
山沖之彦(オリックス → 阪神)
加入前:21試 7勝4敗 防4.25[94年]
加入後:登板なし[95年]
河野博文(日本ハム → 巨人)
加入前:27試 6勝8敗0S 防4.73 [95年]
加入後:39試 6勝1敗3S 防3.29 [96年]
武田一浩(ダイエー → 中日)
加入前:28試 13勝10敗 防3.62[98年]
加入後:25試 9勝10敗 防3.50[99年]
工藤公康(ダイエー → 巨人)
加入前:26試 11勝7敗 防2.38 [99年]
加入後:21試 12勝5敗 防3.11 [00年]
星野伸之(オリックス → 阪神)
加入前:26試 11勝7敗 防3.85[99年]
加入後:21試 5勝10敗 防4.40[00年]
若田部健一(ダイエー → 横浜)
加入前:26試 10勝8敗 防2.99[02年]
加入後: 4試 0勝2敗 防5.57[03年]
藤井秀悟(日本ハム → 巨人)
加入前:22試 7勝5敗 防3.53 [09年]
加入後:23試 7勝3敗 防3.76 [10年]
杉内俊哉(ソフトバンク → 巨人)
加入前:23試 8勝7敗 防1.94 [11年]
加入後:24試 12勝4敗 防2.04 [12年]
成瀬善久(ロッテ → ヤクルト)
加入前:23試 9勝11敗 防4.67 [14年]
加入後:14試 3勝8敗 防4.76 [15年]
野上は入団会見でパ・リーグからセ・リーグの球団へ移籍しても「今まで通り、何も変えずに貫きたいと思います」と話す。パ球団から巨人へFA移籍した先発投手は、比較的に成功している。工藤、杉内に続き、2ケタ勝利を挙げる事ができるか注目だ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)