◆ 2年連続2ケタ勝利は難しい?
昨季自身初となる2ケタ12勝をマークした阪神の秋山拓巳。今季も、先発ローテーションの一角として、2年連続2ケタ勝利を期待される。
ただ、最近10年間の初めて2ケタ勝利を挙げた翌年の日本人投手(阪神のみ)を調べると、2年連続で2ケタ勝利を達成した投手は藤浪晋太郎しかいない。08年10勝の岩田稔は09年7勝、09年13勝の能見篤史は10年が8勝、16年10勝の岩貞祐太は5勝に終わっている。
【2007年以降の10年間】
岩田 稔
08年:10勝10敗 防3.28
09年: 7勝 5敗 防2.68
能見篤史
09年:13勝9敗 防2.62
10年: 8勝0敗 防2.60
藤浪晋太郎
13年:10勝6敗 防2.75
14年:11勝8敗 防3.53
岩貞祐太
16年:10勝9敗 防2.90
17年:5勝10敗 防4.96
秋山拓巳
17年:12勝6敗 防2.99
18年:?
◆ 秋山は2年連続2ケタ勝利に期待
秋山が2年連続で2ケタ勝利を達成するためにも、ストレートの質、制球力、故障しない体がカギを握ることになりそうだ。
秋山とタイプは異なるが、16年に2ケタ勝利を挙げた岩貞は力強いストレートを武器に打者をねじ伏せた。飛躍が期待された昨季の岩貞は、力強いストレートが影を潜め、力強いストレートを投げられないことで力みが生まれ、制球を乱して前年のような働きを見せることができなかった。
秋山は昨季、規定投球回に到達した投手では12球団最少の16与四球と制球力は良く、コントロールで苦しむケースは見られないはず。投手の基本であるストレートが、昨季のように威力のあるボールを投げられるかがポイントになっていきそうだ。
また、2年連続で2ケタ勝利を記録するためには、故障は絶対に避けたい。岩田、能見の2人は、2ケタ勝利を挙げた翌年、故障で離脱した。昨季初めて1年間フルで投げ抜いた秋山は、昨季以上に体のケアをして万全の状態で臨むことが求められる。
チーム最多の12勝を挙げ、先発ローテーションの一角として、期待度は昨年よりも高い。秋山は周囲の期待に押しつぶされることなく、2年連続で2ケタ勝利を挙げることができるか注目だ。