野上、牧田、シュリッターが退団
2017年は辻発彦新監督の下、リーグ2位(79勝61敗3分)へ躍進した西武。今季は08年以来となるリーグ制覇が期待されるが、野上亮磨の巨人移籍に続き、牧田和久のメジャー挑戦(パドレス移籍)も決定。戦力低下が懸念されている。
野上は昨季11勝(10敗)を挙げ、シーズン2度目の2ケタ勝利をマーク。西武在籍時は主に先発ローテーションの3番手、4番手という立場だったが、大きな故障もなく淡々と腕を振り続け、12年から6年連続で100イニング以上を消化した。
牧田はルーキーイヤーの2011年から先発、救援でフル回転。5勝7敗22セーブ、防御率2.61の成績で新人王を獲得した。2年目は先発で13勝(9敗)を挙げるなど、在籍7年で53勝49敗25セーブ、防御率2.83をマーク。貴重なアンダースローとして、WBCに2大会連続で出場するなど国際大会でも活躍した。
上記の2投手だけではなく、8回の男として64試合登板、防御率2.83を記録したシュリッターも1年でチームを去った。元々手薄だった先発ローテだけではなく、勝ちパターン再編も余儀なくされる。
野上の人的補償で高木勇人、新外国人として先発候補のカスティーヨ、セットアッパー候補のワグナーを獲得。ドラフト組の斉藤大将、伊藤翔、与座海人らにも期待したいところだが、未知数な部分も多いのは確かだ。
出て来い! 松坂、涌井、岸、菊池に続く次世代エース候補
優勝のためには、既存戦力のレベルアップは必須。先発では菊池雄星、ウルフ、十亀剣、多和田真三郎に続く存在として、高橋光成、佐野泰雄、本田圭佑、今井達也ら、若手の成長が求められる。中継ぎでは稲葉ジャパンのメンバーにも選ばれた平井克典、野田昇吾に加え、かつての守護神・高橋朋己の復活も欠かせない。
エース菊池も近い将来、メジャーへ挑戦する意思を秘めており、先々を見据えても多和田、高橋光、今井、斉藤大のドラ1カルテットには、次世代エースとしての片鱗を新シーズンに見せてほしいところだ。
西武はこの4年間で涌井秀章(現ロッテFA)、岸孝之(現楽天)、野上、牧田がチームを離れることになったが、彼らも松坂大輔、帆足和幸など、かつての主戦投手の後釜として期待され、それに応えて成長してきた投手たちだ。
このところ若手野手の台頭が目立つ西武だが、改めて振り返ると投手の育成力も高い。近年は選手の入れ替わりが激しく、盤石な選手層を保てないシーズンが続くが、新戦力は次々と出現している。昨季の山川穂高、源田壮亮のような存在が投手陣に出現すれば、18年の西武はより一層面白くなる。