畠山、川端、雄平、秋吉は一軍スタート
2月1日から各球団の春季キャンプが一斉にスタート。昨季、球団ワースト記録の96敗を喫したヤクルトは、今年も一軍が沖縄・浦添、二軍は宮崎・西都で汗を流す。
4季ぶりに指揮を執る小川淳司監督の下、チームのスローガンは「Swallows RISING~再起~」。投打ともに課題は山積みだが、まずは故障回避への土台作りが今キャンプ最大のテーマだ。
昨季は川端慎吾、畠山和洋、雄平、秋吉亮ら主力選手が次々離脱。シーズン終盤にも小川泰弘、星知弥の右ヒジ疲労骨折が発覚し、両投手とも10月に手術を行った。その影響もあり、両右腕は今キャンプ二軍スタート。開幕に間に合うか微妙だ。
故障が癒えた川端、畠山、雄平、秋吉は一軍スタート。再びシーズンを戦い抜く身体を作り上げ、満を持してシーズンに挑みたい。ただ、故障トラブルは恒例化しているだけに、過度な期待は禁物。昨シーズン経験を積んだ藤井亮太、山崎晃大朗、広岡大志らのさらなる成長とともに、全体的な底上げに期待したい。
元中日アルメンゴ、ドラ2大下ら、7投手が新顔
一軍キャンプの投手陣は、大下佑馬、蔵本治孝、沼田拓巳のドラフト組に加え、新外国人のアルメンゴ(中日時代の登録名はジョーダン)、ハフ、カラシティー。さらに、ソフトバンクから無償トレードで獲得した山田大樹を含め、20名中7名が新顔となった。
小川と星が開幕に間に合うか微妙な中、現時点で先発ローテ当確と言えるのは、昨季チームでただひとり規定投球回をクリアしたブキャナンだけ。石川雅規、由規、原樹理らに加え、新戦力のアルメンゴ、山田大、ハフの左腕3枚。さらに、ドラフト2位右腕の大下らを含めた面々で、開幕ローテ枠を争う。
救援陣は、抑え候補のカラシティーがハマるかがカギ。最後が固まれば、秋吉、石山泰稚をその前で使え、15年の優勝を支えたバーネット、オンドルセク、ロマンのような必勝リレーが見込める。
ドラフト3位の蔵本もセットアッパー候補として期待がかかる右腕。2年目の中尾輝、寺島成輝、梅野雄吾らも含め、若手のアピール合戦にも期待したい。
新首脳陣に期待、宮本ヘッドは練習量増加を予告
ニューフェイスは選手だけではない。小川第二政権発足に伴い、チームOBである宮本慎也氏をヘッドコーチに招聘。さらに、広島に37年ぶりの連覇をもたらした石井琢朗打撃コーチ、河田雄祐外野守備走塁コーチも加わった。
宮本ヘッドは昨年の納会で、「秋季キャンプから厳しい練習を選手に課していますが、歯を食いしばって、秋のキャンプは精一杯やってくれた。春も厳しいキャンプになると思います」と宣言。同じく秋季キャンプから参加した石井コーチは、「技術以上に意識を変えることで、チームが変わっていくと思う」と、体質改善への手応えを口にした。
15年シーズンの栄光から一転、2年連続Bクラスに沈むヤクルト。今キャンプでチームとしての強度を高め、96敗を喫した不名誉シーズンの雪辱を期す。