次で70回目
安打、二塁打、三塁打、本塁打を1試合の中で達成させるサイクル安打。その難易度は高く、2017年シーズンは1度も達成されなかった。このように1度も達成されないシーズンもある『サイクル安打』という記録についてご紹介したい。
サイクル安打は、2017年シーズン終了までに69回達成されている。プロ野球は1936年に始まっており、創設から80年あまりが経過。単純計算ではあるが、1年に1回以下の達成頻度となる。ちなみに、無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)は89回(※完全試合15回含む)も達成されており、実はそれよりも珍しい記録なのだ。
直近では、2016年7月30日に福留孝介(阪神)が成し遂げている。なお、福留は中日時代の2003年6月8日にも達成しており、史上2人目の複数回達成者となった。また、39歳3カ月での達成は史上最年長記録。この福留以降、サイクル安打達成者は現れていない。
また、一人で3度もサイクル安打を達成した選手がいる。ロバート・ローズ(横浜)だ。マシンガン打線を牽引したローズは1995年、1997年、1999年にサイクル安打を達成している。首位打者(1999年)、打点王(1993年、1999年)、最多安打(1999年、2000年)、最高出塁率(1997年)など多くのタイトルを獲得したが、サイクル安打達成者としても球史に名を残したのである。
レジェンドの名前がずらり
三塁打という大きな壁はあるものの、達成者の名前を見るとそうそうたる顔ぶれが並ぶ。
『打撃の神様』こと川上哲治(巨人)をはじめ、通算本塁打の記録保持者・王貞治(巨人)や、安打の記録保持者・張本勲(東映ほか)といった球界のレジェンドたちがずらり。
ところが、球界を代表する選手たちは名を連ねているなか、ミスターこと長嶋茂雄(巨人)や、イチロー(元オリックス)といった国民的スーパースターの名前は見当たらない。長嶋は通算74三塁打、イチローも23三塁打を放ったが、サイクル安打達成とはならなかった。
楽天は達成者なし
チーム別で見ると、楽天が12球団で唯一達成者が不在となっている。
それでも、リードオフマンの茂木栄五郎は2016年に7本の三塁打を放ち、2017年には2ケタ本塁打(17本)も達成。今後もチャンスの多い選手であることは間違いない。
また、現在のフランチャイズ球場別で見るとヤフオクドーム、ZOZOマリンの2球場では達成されていない。加えて、パ・リーグでは2007年9月22日のズレータ以来、実に10年以上も達成されていないというのも意外なところ。
果たして、今年は達成者が現れるのか。『楽天』『パ・リーグ』『ヤフオクドーム』『ZOZOマリン』というキーワードにも注目しながら、70回目の達成を楽しみに待ちたい。