指揮官が二塁転向を明言
阪神・鳥谷敬の“二塁転向”が各メディアで報じられている。
今年でプロ15年目・6月に37歳になる虎の鉄人。キャリアで最も苦しんだ2016年を糧に、昨季は三塁に転向して見事に復活。9月には通算2000安打の偉業を達成し、転向元年にして三塁手部門でゴールデングラブ賞も受賞した。
そんな男が、この春はまた新たなポジションで白球を追いかけている。金本知憲監督は2年目・大山悠輔の三塁起用を明言し、「トリは二塁」。2年連続のコンバートが決定した。
かつて2013年のワールド・ベースボール・クラシックやオールスターゲームでは二塁に入ったことがあるものの、プロ15年・1974試合のキャリアで二塁を守ったことは一度もない。遊撃・三塁あわせて5度のゴールデングラブ受賞歴を持つ名手は、新ポジションでも輝きを放つことができるのか。大きな注目が集まる。
ゴールデングラブ賞の3ポジション制覇
まだ気は早いが、コンバートする鳥谷に期待がかかるのが「三井ゴールデン・グラブ賞」への挑戦だ。
鳥谷はかつて2011年・2013年・2014年・2015年に遊撃手としてゴールデングラブ賞を受賞しており、昨年は三塁手として同賞を受賞。もし二塁でも受賞となれば、計3ポジションでの受賞となる。
ゴールデングラブ賞の「受賞ポジション数」最多は立浪和義の3ポジション。過去46回の歴史の中で、3つのポジションで守備の栄誉に輝いたのは立浪ただ一人なのだ。
もちろん、やるからには目指してもらいたいところであるが、セ・リーグの二塁手部門には最強のライバルがいる。現在5年連続でゴールデングラブ賞を受賞している、広島・菊池涼介だ。
驚異的な身体能力と野生の勘を武器に、常識を覆すような異次元のプレーで見るものを魅了する27歳。5年連続受賞も去ることながら、ここ2年は最多得票での受賞が続いており、まさに完全無欠の存在だ。この高い壁を超えなければ、『3ポジション制覇』の偉業は見えてこない。
虎一筋15年目・鳥谷敬の新たな挑戦から目が離せない。