見どころ満載の紅白戦
○ 紅組 1 - 0 白組 ●(※5イニング制)
宮崎・清武運動総合公園で行われているオリックスの春季キャンプは、第4クールの3日目。今キャンプ3回目の紅白戦を清武SOKKENスタジアムで行った。この日の紅白戦は、開幕投手候補の西勇輝、ディクソン、山岡泰輔をはじめ、セットアッパーの近藤大亮、黒木優太、ルーキーのK-鈴木が初実戦ということもあって、見どころ満載となった。
“強肩”若月がアピール!
一方、紅組先発のディクソンは、西野にライト前ヒット、マレーロに四球を許したが、持ち味の打たせて取るピッチングで後続を打ち取り、順調な仕上がりをアピール。
ディクソンは登板後、「ブルペンと試合では力の入れ方が違うので、試合で本来の感覚に取り戻していく」とまだまだ調整段階であることを強調した。
白組2番手は昨シーズン、55試合に登板し、オフには侍ジャパンにも選出されたセットアッパーの近藤が登板。根本薫にヒットを許したが、またもや若月が盗塁を阻止し、3人で切りぬけた。
近藤は「久々の試合だったから、まっすぐの感覚を確かめました。フォアボールがでなくて良かった」と満足気な表情を浮かべ、ファンサービスをしながら球場を後にした。
山岡が圧巻のピッチング
まったく不安を感じさせなかったのは、紅組2番手の山岡だ。先頭の安達了一をサードゴロ、若月を三振、縞田拓弥をライトファールフライに打ちとる圧巻のピッチングを披露。
好投した山岡は「今までやってきた練習を出せるように、いろんなボールを試した。きょうはコントロールが定まっていなかったので、精度を高めていく」とさらなる高みを目指し、気を引き締めていた。
K-鈴木、走者を出しながらも無失点
白組は黒木も3人で抑えて、4回にK-鈴木が登場。K-鈴木はいきなり先頭の西野真弘に三塁打を打たれたが、最速149キロを計測するなど、1イニングを無失点に抑えた。
福良監督は「追い込んでからどうするか。どこに投げるかというコントロールは必要。明日はブルペンで100球以上投げると言っているからそれを見てまた判断したい。あの感じて投げて持つのかなというのはある」と語り、今後の投球内容を見ながら、不安材料をひとつずつ取り除いていく意向を示した。
紅白戦は5回に紅組が鈴木優から吉田雄人がタイムリーを放ち先制し、その裏、サイドスローに挑戦中の左腕・斎藤綱記がランナーを出しながらも何とか無失点で逃げ切り、紅組が勝利を収めた。
西野が一軍昇格へ!田嶋は22日に初実戦
試合後、福良監督は開幕投手争いについて言及。「ディクソン、西、山岡はみんな順調。西は球にバラつきがあったけど、もう少し投げさせて競争させていく」とした上で、「山岡はブルペンからボールが強い」と評価。
長打を含む2安打の西野に関しては「一軍に上げることを考えている」と再昇格を示唆。強肩を披露した若月については「良かった。正捕手はバッティングよりも守りを重視する。打てなくても目を瞑ります」とコメントした。
また福良監督は、この日、球場内とブルペンで合計130球を投げたドラフト1位ルーキー田嶋を22日の紅白戦で2イニング投げさせることを明言。
田嶋は「大人しいと思われがちなので、アピールしてギャップを見せたい」とデビュー戦を心待ちにしている様子だった。
取材・文=どら増田