◆ ロッテ・安田は「4番・三塁」デビュー
キャンプも後半戦に入り、紅白戦・練習試合と実戦練習が増えてきた。ベテランや主力などが調整をしながら状態を上げてくる中、ルーキーたちは最初からアピールを繰り広げている。
そのなかでも、注目されるのはやはり清宮幸太郎(日本ハム)だ。自主トレで痛めた右手首も徐々に回復。アリゾナキャンプ終盤には打撃練習を開始した。また、実戦でも特別ルールで打撃は行わずに守備につくなど順調にステップアップを行っている。栗山英樹監督は焦らずに調整していく方針をとっているが、沖縄キャンプ中にその機会は訪れるだろう。
ドラフト時の主役であった清宮がひと休みしている間に、実戦で結果を残しているのが安田尚憲(ロッテ)だ。井口資仁新監督の方針もあり、一軍・二軍の振り分けが行われなかったキャンプ序盤でアピールに成功している。
中盤からの振り分けで一軍メンバー入りを勝ち取ると、17日に行われた台湾・ラミゴとの練習試合では「4番・三塁」で出場。試合では2打数1安打、2四球と結果を残した。
本職は三塁だが、今キャンプでは一塁の練習も行っている。同じ一塁の福浦和也が右足首の負傷で二軍調整している今、結果を残し続ければ開幕一軍だけでなくスタメンまで見えてくる。
◆ 楽天・西巻は球団史上初の高卒野手開幕スタメン狙う
高校時代は日本代表に選出されていたものの、清宮や安田に比べると注目度の低かった西巻賢二(楽天)も躍動している。
仙台育英高では1年時に3年だった平沢大河(現・ロッテ)、佐藤世那(現・オリックス)らとともに甲子園準優勝。その後も主力として活躍していたが、168センチと小柄だったことも影響してか、ドラフトでの評価は高くなく6位指名だった。
しかし、春季キャンプでは高卒新人ながら一軍スタート。シート打撃などで結果を残すと、17日に行われた韓国・三星との練習試合に途中出場。2安打をマークし、梨田昌孝監督をはじめとする首脳陣に猛アピールを見せた。
高校時代は遊撃手だったが、今は二塁の練習をメインで行っている西巻。二塁のレギュラー候補である藤田一也が離脱しており、また正遊撃手の茂木栄五郎も故障明けと、二遊間のポジションが定まっていないチーム状況も男にとってはチャンスだ。
ライバルは同じく新人の山崎剛と、このオフに背番号を『24』に変更し心機一転となった三好匠となる。彼らも競争の真っ只中におり、抜けた存在はいない。このまま結果を残していけば、西巻も安田と同様にスタメンのチャンスがある。
楽天では、2016年にオコエ瑠偉が高卒新人野手としては初めての開幕一軍を勝ち取ったが、開幕スタメンとはならなかった。西巻がスタメンに名を連ねれば、「球団史上初の高卒新人開幕スタメン」となる。
このように、注目集まる清宮だけではなく、その他の高卒新人野手もそれぞれ結果を残している。この中から開幕一軍を勝ち取り、さらには開幕スタメンとなる選手は生まれるだろうか。2月後半からはオープン戦が開幕する。そこでさらなるアピールをしてくれることに期待したい。