◆ 「僕らは羽生くん世代」
「僕は常々“羽生くん世代”だと思っているので」。
これは2016年の1月、『第50回テレビ朝日ビッグスポーツ大賞』の表彰式で羽生結弦と同じ壇上に上がった際に、大谷翔平が語った言葉だ。
あれから2年、大谷翔平は夢だったメジャー挑戦を現実のものとし、羽生結弦は平昌五輪で66年ぶりとなるフィギュアスケートの五輪連覇を達成した。
◆ 日本スポーツ界の最強世代
球界でも逸材が揃う1994年生まれの世代。なにかと“○○世代”というくくりの多い野球界において、新たな黄金世代として期待が高まっているのが“大谷世代”であるが、逸材揃いなのは球界だけではない。
上述した通り、平昌五輪で五輪連覇の偉業を成し遂げた羽生結弦をはじめ、スピードスケート界では高木美帆が平昌五輪で金・銀・銅メダルをコンプリート。一大会でこれを達成するのは、冬季では日本人初の快挙だという。
ほかにも、バドミントン界には2016年のリオ五輪で銅メダルに輝き、2017年には日本人選手で初めて世界選手権女子シングルスを制した奥原希望がおり、水泳ではリオ五輪の400m個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介、さらには同種目の銅メダリストで世界選手権優勝経験のある瀬戸大也、柔道界ではリオ五輪の90kg級で金メダルに輝いたベイカー茉秋、レスリング界にはともにリオ五輪で金メダルを獲得した土性沙羅に川井梨紗子などなど、若くして世界の頂点に立った選手が大勢いるのだ。
ちなみに、この“○○世代”の扱いに関しては、2017年1月に行われた『第51回テレビ朝日ビッグスポーツ大賞』の場でも話題に。この時は大谷と萩野、ベイカーの3人で登壇し、前年に大谷が口にした「羽生くん世代」に対し、ベイカーは「戌年だけに、ワンダフル世代」と提案。翌日の新聞やニュースなどで報じられたが、今のところ定着はしていない。
◆ 「世界一の選手に」
話を2016年に戻す。「羽生くん世代」と語ったことについて後に記者からツッコまれた大谷は、「本気で僕らは羽生君の世代だと思ってますよ。だって世界で勝っているんですから」と答えた。
日本球界のスターとして圧倒的な知名度を誇る大谷だが、まだ世界を相手に勝ち取ったタイトルはない。その点、今年はそのスタートラインに立った年と言える。競技の枠を超えて刺激し合ってきた『94年会』の仲間と肩を並べるチャンスがやってきたのだ。
メジャー挑戦が決まった時、常々「世界一の選手に」と口にしてきた大谷。球界だけでなく、日本を代表する1994年生まれの“世代頭”への挑戦がはじまる。
【“ワンダフル世代”の主な有名人】
羽生結弦(フィギュアスケート)
高木美帆(スピードスケート)
瀬戸大也(水泳)
萩野公介(水泳)
土性沙羅(レスリング)
川井梨紗子(レスリング)
ベイカー茉秋(柔道)
奥原希望(バドミントン)
丹羽孝希(卓球)
宮下 遥(バレー)
植田直通(サッカー)
浅野拓磨(サッカー)
南野拓実(サッカー)