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“投手四冠”達成の難しさ…

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巨人・菅野智之(C)KYODO NEWS IMAGES

菅野が順調な仕上がり


 巨人の菅野智之が2月21日に行われたヤクルトとの練習試合に先発。2回を投げて2安打1失点(自責点0)とまずまずの内容だった。最速は152キロで、150キロの直球を連発。

 スピードボールというより、コーナーをつく投球で打者を打ち取るタイプだった菅野が、重い速球で勝負するパワーピッチャーに転身したような投球に、巨人首脳陣もホッとした様子だった。

 本人も納得した表情で、調整が順調にきていることに手応えをつかんだ。巨人のエースは、今や日本球界のエースにまで成長した。昨季は、さらに一段、レベルアップ。メジャーでも通用する投手の1人と称されるまでになった。

【年度別成績】

 菅野は2013年、巨人に入団。1年目からローテーション投手となり、毎年、結果を出してきた。年度別成績はこうだ。

13年:27試 13勝6敗 防3.12
14年:23試 12勝5敗 防2.33
15年:25試 10勝11敗 防1.91
16年:26試 9勝6敗 防2.01
17年:25試 17勝5敗 防1.59
   
 通算61勝で、防御率は2.18。実に安定している。ルーキー年から5年連続で規定投球回数をクリアした。今季の菅野の目標は、初の20勝と投手の全タイトル獲得だ。

難しい投手四冠

 
 1950年、セパ両リーグに分かれてから、投手のタイトルを総なめした投手は数えるほどしかいない。投手四冠は、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の4つのタイトルを独占すること。これが、なかなか難しいのだ。

 ヤンキースの田中将大が、日本での最終年となった2013年に前人未踏の24勝0敗という成績を残した。このときは、24勝で最多勝、勝率1.000で最高勝率、最優秀防御率は1.27だったが、奪三振は183で、最多奪三振のタイトルを逃している(ちなみに、この年の最多奪三振はオリックスの金子千尋投手で200)。

 日本では無敵だった、カブスのダルビッシュ有は日本に7年在籍したが、そもそも最多勝のタイトルには無縁だった。意外にも400勝投手の金田正一投手、300勝投手の鈴木啓示投手も、投手四冠を達成していない。

 これまで、投手四冠を達成した投手は、以下の通りだ(2リーグ分裂以降)。

杉下茂(1954年/中日)
32勝 防1.39 勝率.727 振273

杉浦忠(1959年/南海)
38勝 防1.40 勝率.905 振336

稲尾和久(1961年/西鉄)
42勝 防1.69 勝率.750 振353

木田勇(1980年/日本ハム)
22勝 防2.28 勝率.733 振225

江川卓(1981年/巨人)
20勝 防2.29 勝率.789 振221

野茂英雄(1990年/近鉄)
18勝 防2.91 勝率.692 振287

上原浩治(1999年/巨人)
20勝 防2.09 勝率.833 振179

斉藤和巳(2006年/ソフトバンク)
18勝 防1.75 勝率.783 振205

 2リーグ分裂前には、3投手が達成している。1937年春には巨人の沢村栄治投手(24勝、防御率0.81、勝率.857、196奪三振)、1938年秋には巨人のスタルヒン投手(19勝、防御率1.05、勝率.905、146奪三振)、1943年には巨人の藤本英雄投手(34勝、防御率0.73、勝率.905、253奪三振)。これを含めても、11人しか達成していないのだ。

菅野が挑む


 菅野が今季9人目(2リーグ分裂以降)の偉業に挑む。最多勝、最優秀防御率は計算できるが、もっともハードルが高いのは最多奪三振だろう。ただ、これまでの打たせて取るスタイルから、速球勝負に方向転換した菅野にとっては、初のシーズン200奪三振の可能性もある。2006年の斉藤和巳以来、巨人では1999年の上原以来の達成へ、菅野が別次元の投球を見せつけることができるか注目だ。

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