ニュース 2018.03.02. 18:00

春季キャンプで見られた“新しい挑戦”

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練習試合で一塁の守備に就くヤクルトの坂口智隆

役割を変えて…


 3月になり、いよいよシーズン開幕が近づいてきたプロ野球界。待ちに待ったキャンプも終わり、気がつけばオープン戦が開幕。各地で開幕一軍・スタメン入りをかけたサバイバルがはじまっている。

 今回注目するのは、キャンプ中に“新たな挑戦”に乗り出した選手たち。たとえば、阪神ではベテラン・鳥谷敬が二塁で練習を行うなど、多くの球団でコンバートや役割の変更に向けた動きが見られた。

 成功すれば野球人生に新たな可能性が広がるうえ、チームとしても起用法に幅が出てくるというメリットがある。今キャンプで目立った“新たな取り組み”を振り返ってみたい。


新たな可能性にかける


 西武からは左腕の武隈祥太。3年連続で50試合以上に登板するなど、ここ数年はブルペンを支える中心的人物となっていたが、ここに来て先発転向プランが持ち上がっているのだ。

 リリーフの一角に定着しつつあるプロ3年目の野田昇吾や、トミー・ジョン手術からの復活を目指す高橋朋己といった中継ぎ左腕にメドが立てば、という条件付きではあるものの、先発左腕候補が手薄なチーム事情もあって可能性が浮上している。

 オフに牧田和久と野上亮磨という主力が抜けた投手陣で、武隈が救世主となるか。注目が集まっている。


 オリックスでは、高卒4年目の宗佑磨が急上昇。主戦の遊撃でなく、外野手としてのレギュラー獲りに突き進んでいる。

 高い身体能力がウリで、かねてから“素材型”として期待されていた男。昨季一軍デビューを果たし、プロ初安打も放ったものの、打率は.182と一軍の壁に苦しんだ。

 それでも、ファームでは104試合の出場で打率.279と着実に力をつけており、あとは一軍の水に慣れるだけ。レギュラーの安達了一や即戦力ルーキー・福田周平のいる遊撃では厳しい闘いを強いられたが、そのおかげで外野手という新たな可能性が広がったとも言える。

 “素材型”に漂う開花の気配。オリックスの背番号6から目が離せない。


坂口の一塁は「保険」?


 また、本格的なコンバートではないものの、有事に備えてメインのポジションとは違う場所で練習を行うということもある。

 ヤクルトの坂口智隆がその一人だ。青木宣親の電撃復帰もあって、大激戦区になったヤクルトの外野陣。青木、バレンティン、雄平、坂口のうち誰かがポジションを失うことになる。そこで、小川淳司監督が考えた策が坂口の一塁だった。

 一塁にもレギュラー候補として畠山和洋がいるものの、故障が多くここ2年はまともに出場することができていない。指揮官は「なにかあったときのため」と煙に巻くが、果たして…。

 代表的なところをピックアップしたが、もちろん彼ら以外にもメインのポジション以外で練習を行っている選手はいる。長いシーズン、アクシデントはつきもの。そうなった時の支えになるのが、キャンプやオープン戦で試す“オプション”なのだ。

 昨季までなかった、アッと驚く起用は飛び出すのか。ここからの実戦は、各球団の「ふだんと違う」采配にも注目だ。

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