フィッシュ監督が見た侍ジャパン
『ENEOS 侍ジャパンシリーズ 2018』が3日にナゴヤドームで開幕。オーストラリア代表は初戦に0-2で敗れたものの、スティーブン・フィッシュ監督は「チームを誇りに思う」と胸を張った。
試合を振り返り、「投手がしっかり投げ、そして完璧な守備を見せることができた」と語るフィッシュ監督。「特にトラビス(・ブラックリー)は5回まで完ぺきな投球をして、勝てるような状況にまでチームを導いてくれた」と先発したブラックリーの好投を讃えた。
敗因は「計16個の三振。塁にでることができなかった。これが一番痛かった」。侍ジャパンについては、「忍耐強く、細かいこともきちっとやっていた。守備も良かったし、しっかりストライクを取りに来た」と印象を語り、「投球も緩急をつけていたし、速球以外の球種も豊富でレベルも高かった。スプリットなどの落ちる球をこんなに見ることはなかなかない。明日はボールに当てて打たないといけない。前にボールを飛ばさないと」と投手陣のレベルの高さを強調した。
敵将にも衝撃を与えた投手陣。その中心となったのが、先発して2回を無四球・無安打、打者6人全員から三振を奪った千賀滉大だろう。印象を聞かれたフィッシュ監督は「良いものをもっている」と即答した。
つづけて「私が見てきた中でも優れた選手の1人。さらに成長するのではないか」と述べ、「その気があればアメリカでも十分やっていけると思う」と絶賛。「いきなり先発して6連続三振は本当に凄いと思う」とその才能に脱帽した。
侍打線を翻弄した元NPB助っ人
そんな千賀をはじめとする侍ジャパンの投手陣と見事な投げ合いを演じたのが、トラビス・ブラックリー。かつて楽天でもプレーしていた35歳の左腕である。
この日は5回を投げて86球、被安打は2、与四球2つに6奪三振で無失点。ベテランらしい投球術で、侍打線を翻弄。本人も「プランどおり」と振り返る。
「自分にプレッシャーをかけないように投げた」とブラックリー。「事前に日本の情報を入手し、当初のプランどおり投げることができた。また、捕手のデサンミゲルを以前からよく知っていたので、うまく投げることができた」と好投の要因を語った。
侍ジャパン打線の印象については、「三振を奪うのが難しいと思う。なので、あえて三振をとろうとは思わなかった。最後だけ狙ったが、それ以外は守備陣を使ってアウトをとろうとした」とコメント。「日本のすばらしさはよくわかっているので、ベストで臨まなければならない。今日はそれができたと思う」と手応えを述べた。