ニュース 2018.03.04. 16:00

侍ジャパン・強化試合で“お披露目”された新ルール

無断転載禁止
アメリカでは「チャレンジ」、日本では…?

「リクエスト」と「申告敬遠」


 3月3日にナゴヤドームで開幕した『ENEOS 侍ジャパンシリーズ 2018』。オーストラリア代表と対戦した侍ジャパンは、先発・千賀滉大をはじめとする投手陣の奮闘もあって2-0で勝利。2020年の東京五輪へ向けて、まずは白星発進を切った。

 稲葉ジャパン・2018年の始動戦ということもあって、プレイボールから地上波中継(※試合終盤はBSへ以降)されるなど注目を集めた戦い。その中で目についたのが、今季からプロ野球でも導入される新ルールが適用される場面が見られたことだ。

 キャンプやオープン戦の中でもすでに適用されてはいたが、今回は“代表戦”というより多くの人の目に触れる機会になったということで、ここで改めて2つの“新ルール”を取り上げたい。


「リクエスト」


 まずは7回裏、侍ジャパンの攻撃。先頭の小林誠司の打席でのこと。当たり損ねの打球は三塁手の前に力なく転がり、小林は全力疾走。一塁はセーフの判定で、内野安打となった。

 ところが、ここでオーストラリア代表のスティーブン・フィッシュ監督がベンチから登場。審判に詰め寄り、試合が止まった。今季からプロ野球でも導入される「リクエスト」という制度である。

 これは際どい判定があった場合に審判にリプレー検証を求めることができる権利で、アメリカでは「チャレンジ」と呼ばれているもの。日本ではこれまで本塁打かどうかの判定や本塁を巡るクロスプレーなどで「ビデオ判定」を行ってきたが、今季からはその範囲がアウト・セーフやフェア・ファウルの判定まで拡大される。

 なお、この権利は1試合に2回まで使うことができ、判定が覆った(=審判の判定に誤りがあった)場合は回数にカウントされない。また、延長戦に入るともう1回プラスされる。

 今回は判定覆らず、小林は内野安打で出塁。リプレー検証の映像は場内ビジョンにも大きく映し出され、ファンからは「セーフ!!」の声が上がっていた。


「申告敬遠」


 もうひとつは8回裏、こちらも侍ジャパンの攻撃。一死二・三塁で6番・外崎修汰の打順を迎えたところ、チャンスということもあってライト側から外崎の応援歌が一際大きく流れる中、打席には7番の大山悠輔が登場。気がつけば、一塁に外崎の姿があった。

 これが今季から採用された「申告敬遠制」というもの。これまで故意四球の際には捕手が立って4球ボールを受けていたが、この制度では監督が審判に故意四球とする旨を伝えれば投球の必要がなくなるのだ。

 ちなみに、メジャーリーグでは2017年からスタート。試合時間の短縮が大きな目的であったが、実際にはそもそもの敬遠の回数もそこまで多くなく、効果については疑問符も。今後の運営について、議論の的となることも度々あった。

 日本でも、過去に敬遠球ヒットなどの“伝説”が生まれていることもあり、ファンの中には否定的な見方を持っている人が多くいる。果たして、これらは野球の試合の中に違和感なく溶け込んでいくことができるのか。今シーズンのプロ野球を見ていく上で、ひとつ注目のポイントになる。


ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西