スタメン起用に“一発回答”
3月3日と4日、2日間に渡って開催された『ENEOS 侍ジャパンシリーズ 2018』。侍ジャパンはオーストラリア代表との強化試合に連勝。2020年の東京五輪に向けて、幸先の良いスタートを切った。
指揮官と選手1名が出席する試合後の会見。第2戦の後、稲葉篤紀監督とともに登場したのが松本剛だった。
昨年秋に行われたアジアCSに引き続き、稲葉ジャパンのメンバー入りを果たした24歳。その時は大会ベストナインに選出される活躍で優勝に貢献し、指揮官からの信頼を得る。
しかし、前回は若手メンバーが主体のチームだったのに対し、今回は全世代を代表するトップチームの構成。球界を代表する選手がメンバーに入ってきた中、第1戦で松本の出番はなかった。
迎えた第2戦、男に与えられた役割は「2番」。打線のつなぎ役として様々な立ち回りが求められる重要なポジションになるが、終わってみれば適時打2本含む3打数2安打で3打点。犠打に犠飛も記録するなど、状況に応じた打撃でチームを勝利に導いた。
「素晴らしい選手しかいないなかで僕を選んでもらったので、試合に出たら良い仕事をしようと思っていた」と松本。「特に前後は日本を代表する選手だったので、とにかく打線の一人として何とかできればという想いで今日一日をやっていた」と正直な胸の内を語ったが、稲葉監督は「トップのメンバーに入っても自分の役割をしっかりとわかっている」と高評価。
さらに「舞い上がってしまったり、思いきりの良さが裏目に出てしまったりするが、松本は犠打や進塁打など、自分のやるべきことをしっかりと頭の中で整理してやっていたので、それは意識の高さだなと感じる」とつづけ、24歳の若武者を讃えた。
「代表のユニフォームは夢であり目標」
指揮官からはその働きぶりを絶賛されたものの、「ふつうに打撃練習を見ているだけでも、僕自身ファンみたいな目線でみてしまうことも正直ありまして…」と“フル代表”という舞台はいまひとつピンと来てはいない様子。
それでも、憧れだけではない。「技術的には本当にまだまだだなと感じることもたくさんあったので、そこをなんとか少しでも近づけるように。また一緒にプレーしたいという気持ちも強くなりました」とすぐに前を向いた。
夢のような時間を終え、「昨年の秋と今年、こうやって代表のユニフォームを着させてもらって、やっぱり自分の夢であり、目標であることを再認識しました」と松本。2020年に向けては、「このレベルの高い野球をやりたいなという気持ちがすごく強くなった」と力強く語る。
「あとは自分のレベルアップ次第でチャンスはあると思うので、なんとか個々のレベルを上げて、また呼んでもらえるように頑張りたい」。
本人は控えめな言葉が多いが、稲葉監督には「チームに帰ってもこういうことを続けていくと、ジャパンのチームで必要な選手になってくるなと感じた」とまで言わしめ、大きな期待をかけられていることは間違いない。
あと2年、長いようで短いこの間にどれだけ成長した姿を見せることができるか。2020年には堂々たる姿で、チームを引っ張る存在となっていることに期待したい。