安部、バティスタの穴を埋めるメヒア
キャンプが終わり、オープン戦に突入したプロ野球界。まだ時期も早く、侍ジャパンに選出されているメンバーもいるためベストメンバーとはいかないものの、開幕一軍・スタメン入りがかかる若手や新戦力がアピールを見せている。
その中で注目したいのが、リーグ3連覇を目指す広島の外国人枠争いだ。その陣容は投打の軸になるジョンソンとエルドレッドに加え、リリーフではジャクソンが残留。複数年チームに在籍しているこの3名は当確として、残りの一枠を新加入のリリーフ候補・カンポスと昨年衝撃的なデビューを飾ったバティスタで争う形になるとみられていた。
ところが、キャンプ終盤の練習試合で死球を受けたバティスタが「骨挫傷」で離脱。別メニューでの調整となり、開幕に間に合うかどうかは微妙な状況となってしまった。
ほかにも、昨季4番も務めた鈴木誠也は回復を見せているとはいえ、シーズン終盤の骨折の影響でやや不安があり、三塁のレギュラー獲りに期待がかかっていた安部友裕も腰痛で離脱。特に打線の方での不安が大きくなっている。
強力打線崩壊の危機…。このピンチに彗星のごとく現れたのがアレハンドロ・メヒアである。
カープ・アカデミーから育成契約を経て、昨季途中に支配下登録を掴んだ右の大砲候補。一軍では9試合の出番に終わったものの、ファームでは104試合の出場で打率.331、18本塁打、77打点と圧巻の成績をマーク。打撃成績は軒並みリーグ上位の数字を残した。
それでも、まだ粗さが目立つ部分もあり、外国人野手でもエルドレッド、バティスタに次ぐ3番手と思われていたが、オープン戦で絶好調をキープ。ここまで3試合連続本塁打を含む打率5割、7打点の大暴れを見せているのだ。
唯一の補強
一方、“あと一枠”入りを目指している新助っ人も好調だ。
中継ぎとして期待されているカンポスも、メヒアに負けじと練習試合から精力的な動きを披露。オープン戦でも1試合・1イニングの登板ではあるが、2つの三振を奪うなど順調ぶりを見せつけている。
右の中継ぎというと今村猛を筆頭に一岡竜司や中田廉、ロングもできる九里亜蓮も含めてやや飽和気味ではあるものの、メジャーで鳴らした豪速球と三振奪取力は大きな魅力。リリーフの一角入りへ、最後までアピールを続ける。
現時点では故障者が続出している打線の救世主としてメヒアが一歩リードしているようにも見えるが、バティスタが復帰してくれば2人での競争となるうえ、リリーフに不安が見つかれば、一気にカンポスに白羽の矢が立つことも十分に考えられる。
球団3連覇へ向けて、緒方孝市監督は外国人選手をどのように使っていくのか。指揮官の采配に注目だ。