「歯を食いしばって這い上がる姿に…」
BSスカパー!にて、3月25日(水)に放送される特別番組『プロ野球 みんなが知らないおカネの話2 ~グラウンドにはゼニが埋まっている!?スペシャル~』にプロ野球解説者の真中満氏、岩本勉氏が出演。番組収録後、2人に「今年期待している選手」について話を伺った。
今回の特別番組は“おカネ”をテーマにプロ野球の世界を描いた人気漫画『グラゼニ』のアニメ放送を記念したもの。というわけで、解説者の2人には「今年“年俸が上がりそう”な、期待している選手」をテーマに語ってもらった。
真中氏が悩む中、「藤浪(晋太郎/阪神)を見てます!」と先に挙げてくれたのが岩本氏。「昨年は本当に悔しいシーズンを残して、さらにずっとライバル関係にあった大谷(翔平)がアメリカに行った。ずっと成功してきた男が挫折を味わったのが去年。ここから歯を食いしばって立ち上がる姿に期待したいですよね」と理由を語った。
藤浪晋太郎といえば、エースとして大阪桐蔭高を甲子園春夏連覇に導き、鳴り物入りで阪神に入団。高卒1年目から10勝(6敗)を記録するなど、入団から3年連続で2ケタ勝利を挙げた。
ところが、2016年はオフから続いた右肩の炎症の影響からか春先に調子が上がらず、7勝11敗と初めての負け越し。昨季も制球難に苦しみ、11試合の登板で3勝5敗、防御率4.12というプロ入り後最悪の1年を過ごした。
同世代ということもあって常に比較されてきた大谷翔平は、自らの夢を叶えて今年からメジャーリーグに挑戦。藤浪は挫折をバネにもう一度立ち上がることができるか。岩本氏も大きな期待をかけている。
また、「注目と言えば、やっぱり松坂(大輔/中日)も外せないね」とも。「彼には直接言ったんですけど、『君はマウンドで輝き、マウンドで死ぬ男だよ』と。『男のロマンを最後まで貫き通してくれ』と。彼の野球人としての生き様を見せてほしいですね」とエールを送った。
「彼はすごい能力を持っている」
一方、悩みに悩んだ真中氏は「あ、おれはね!吉田正尚!」とオリックスの大砲の名前を挙げた。
「彼はすごい能力を持っていると思う。ケガがあってフルで出たことはないけど、フルで出た時にどんな成績を残すのか楽しみ」とコメント。岩本氏が「真中さんと似てますよね」と左でフルスイングを信条とする共通点を挙げると、「いやいや、おれなんかより全然能力あるよ」と絶賛した。
吉田正尚は2015年のドラフト1位でプロ入りした左の大砲。1年目は故障で途中離脱があるも、63試合で打率.290、10本塁打をかっ飛ばす活躍を見せると、2年目の昨季も腰痛で64試合の出場に留まりながら、打率.311で12本塁打をマーク。年間通したらどんな数字を叩き出すのか、誰もが期待を抱いてしまうようなポテンシャルを見せつけている。
コンディション面に不安はあるが、その能力は誰もが認めるところ。真中氏に「今年の数字次第では、2020年の東京五輪というところも見えてくると思う」とまで言わしめる逸材は、今季どんな成績を残すのか。こちらも注目だ。