3年契約3年目の今江が絶好調
昨シーズン開幕から夏場まで首位をキープしたものの、最終的には失速して3位に終わった楽天。クライマックスシリーズでは西武を破ってファイナルステージまで進んだものの、王者・ソフトバンクを前に屈した。
さらなる上位進出を目指すチームであるが、活発な動きを見せた2016-17年のオフに比べるとあまり積極的な動きは見られなかった今オフ。それでも、“新戦力”とは補強だけに限らない。これまで結果を残すことができなかった選手たちの躍進や、復活も含まれている。
たとえば、2015年のオフにロッテからFA移籍してきた今江年晶。3年契約を結び、三塁のレギュラーとして期待されたものの、度重なる故障にも苦しめられて結果を残すことができていない。特に昨シーズンはロッテでレギュラーに定着した2005年以降でワーストとなる51試合の出場に終わり、打率.250とチームの上位躍進に貢献することはできなかった。
しかし、3年契約最終年となる今シーズンは一味違う。春季キャンプから一軍スタートとなり、ここまで順調な仕上がりを見せている。
オープン戦でも序盤から良い活躍を見せており、10日までの段階で打率.438をマーク。ここ数年は思うような結果を残すことができなかったが、契約最終年となる今年は2年分の借りを返したいところだ。
同じく内野争いでは、プロ7年目を迎える三好匠がレギュラー奪取にむけてアピールを続けている。昨シーズンは茂木栄五郎の故障時に代役として奮闘。自己最多となる56試合に出場した。
その茂木がシーズンオフに手術を行ったことで、開幕一軍は不透明な状況。またしても巡ってきたチャンスを逃すまいと、3月4日の中日戦では新外国人投手・ガルシアから本塁打を放つなどアピールを続けている。
93年6月生まれの三好と94年2月生まれの茂木は年齢こそ1つ違うものの同世代。高校から直接プロ入りを果たした三好が“先輩”として意地を見せるか。こちらも注目だ。
期待の日本人大砲に足のスペシャリスト!
常総学院高校時代から長距離砲としての評価が高かった内田靖人。大砲候補としてここまで期待されていたものの、一軍で結果を残すことができずにもどかしいシーズンを送ってきた。
しかし、昨シーズンはイースタン・リーグにおいて本塁打王(18本)、打点王(66点)を獲得。開花の兆しを見せると、オープン戦初戦でチーム第1号本塁打を放つとその後も好調をキープ。チーム待望の日本人大砲として、今年こそ一軍定着を目指したい。
2012年のドラフト5位で入団した島井寛仁もおもしろい。途中で育成契約に切り替わったものの、昨年はイースタン・リーグで盗塁王(28盗塁)を獲得。支配下契約を勝ち取った。
春季キャンプは二軍スタートだったものの、途中から一軍に合流すると練習試合で結果を残すことに成功。オープン戦でも盗塁を決めるなど、持ち味の足でアピールを行なっている。50メートル5秒6の俊足を生かし、スペシャリストとして『代走の切り札』を目指す。
今回取り上げた4人はもちろん純粋な“新人”ではない。しかし、昨シーズン結果を残すことができていないため、今シーズン好結果を残すことができれば戦力の上積みと言ってもいいだろう。
昨シーズン、4年ぶりのAクラスというチームの躍進に貢献できなかった4人の躍進に期待したい。