大村、田川はヤクルトの起爆剤となれるか
開幕まで残り2週間とちょっと。各球団の監督・首脳陣は、レギュラー並びに一軍メンバーの選別を行う最終段階に差し掛かっている。
キャンプ開始直後こそ一軍に呼ばれ、期待の若手や育成契約の選手もチャンスを与えられていたが、徐々にその数は減って二軍に落とされている。しかし、オープン戦に入ってもチャンスを与え続けられている選手も存在する。ここでは、現時点で育成契約選手ながらチャンスを得ている選手を取り上げたい。
昨シーズン、球団ワーストとなる96敗で最下位に沈んだヤクルト。このオフには青木宣親を獲得するなどの補強を行った。だが、もしかしたらそれだけではなく、思わぬ“掘り出し物”が戦力となるかもしれない。
というのも、育成の大村孟、田川賢吾が3月に入ってからもオープン戦で出場機会をつかみ、支配下登録へ向けて奮闘中だ。
2016年の育成ドラフト1位でプロ入りを果たした大村は捕手として入団したものの、その打撃力を買われて二軍では一塁などでも出場している。昨シーズンは打率.268に5本塁打、46打点の成績を残し、イースタン・リーグにおいて打率6位と結果を残した。
春季キャンプでは一軍スタートを掴み、そのまま二軍へ降格することなく3月に突入。主戦級投手の登場により数字は徐々に落ちているものの、ここまで6試合の出場で打率.250と食らいついている。
また、もう一人の田川は2016年まで支配下選手だったが、そのオフに育成契約となった。昨年は支配下復帰が叶わなかったものの、このオープン戦では6試合の登板で防御率2.25と好投。セーブも1つマークしている。
ソフトバンクは育成にも余念がない!
連覇を目指すソフトバンクでも、育成契約の選手にチャンスが与えられている。
高谷裕亮に栗原陵矢と離脱者が相次ぐ捕手陣では、堀内汰門にチャンスが巡ってきた。3試合に出場するなど、九鬼隆平らとの争いが期待されたが、試合中に親指を負傷したことで戦線離脱。大きなチャンスだっただけに、本人にとってはケガ以上に痛い離脱となったが、良いアピールは見せていた。
投手陣に目を向けると、キャンプ中に王貞治会長の目にとまったことで名前が取り上げられた長谷川宙輝がいる。2016年の育成ドラフト2位でプロ入りを果たした2年目の左腕は、オープン戦にも2試合に登板。1.1回と投球回数は少ないものの、防御率0.00と無失点を続けている。
12球団屈指の戦力を誇るチームであるが、育成選手にもチャンスは与えられており、チーム内の競争は相変わらず激しい。この選手層の厚さこそ、強さの要因だ。
果たして、開幕までに2ケタの背番号を掴む選手は現れるのか。残り2週間ちょっとの争いから目が離せない。