2年連続でドラ1は即戦力投手
昨年のドラフト会議、オリックスは西武との一騎打ちを制して社会人No.1左腕の田嶋大樹(JR東日本)を獲得した。
オリックスと言えば、とにかくドラフトでの運に見放されていたチーム。それまで1位競合のくじ引きは11連敗と負けまくり、実に1998年を最後に当たりくじから遠ざかっていたのだ。
さらに2位では鈴木康平(日立製作所/登録名:K-鈴木)、3位では福田周平(NTT東日本)と社会人球界で実績を残した即戦力選手を指名し、4位も西村凌(SUBARU)、8位でも山足達也(ホンダ鈴鹿)を指名するなど、合計5名の社会人選手を獲得。これはロッテと並んで最多の数だった。
思えば、2016年も社会人No.1投手と評された山岡泰輔(東京ガス)の一本釣りに成功しており、それ以前にも吉田一将(JR東日本)や安達了一(東芝)といった即戦力選手を1位で獲得。ドラフトでは社会人出身者を獲得している印象が強い。
果たして、今年新たに加わった選手たちはここまでどんなアピールを見せているのか。オリックスの社会人出身ルーキーたちを振り返ってみたい。
今年の社会人出身者は…
ドラフト1位の田嶋は、キャンプ序盤こそシート打撃を回避するなど不安な部分も見せながら、オープン戦では結果を残している。
オープン戦2試合目の登板となった3月10日の巨人戦では、敗戦投手となったものの5回2失点と試合を作った。福良淳一監督も開幕ローテーション入りに当確を出している。アクシデントがなければ、開幕2戦目の先発が有力だ。
一方のドラフト2位・K-鈴木は2試合で2.2回を投げ3失点と結果を残すことができず、二軍降格となっている。シート打撃、紅白戦では順調だったものの、実戦でプロの洗礼を浴びた格好だ。もう一度調整してから、再昇格を目指す。
野手陣では、8位の山足が奮闘。現在は打率.233と数字が落ちてきているが、一時は3割を超えるアベレージで首脳陣に猛アピール。“快足枠”での抜擢だったが、思わぬ掘り出し物となっていた。開幕が近づき、主戦投手が多く出てくる今がまさに正念場だ。
一方、期待された福田はここまで10試合の出場で8打数無安打。苦しい戦いを強いられている。遊撃の守備でも何でもない当たりを内野安打にしてしまうなど、監督の怒りを買う場面もあった。信頼を勝ち取ることができるか、ここからの巻き返しに期待したい。
なお、西村はここまでオープン戦の出場はなし。社会人出身といってもいわゆる“高卒社会人”であり、支配下の捕手の中では最年少の22歳。まずはチームに溶け込み、投手陣の信頼を得るところからのスタートとなる。
オリックスは1996年以来優勝から遠ざかっており、2000年以降は2008年、2014年に2度の2位があった以外は全てBクラス。そのようなチーム状況から、社会人の即戦力候補を集めるドラフト戦略となったことは否めない。今年こそ優勝を果たすために、即戦力候補の選手達による活躍を期待したい。