ニュース 2018.04.02. 11:30

ヤクルト・由規にアナウンサーのススメ!?【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

右肩の手術から5年


 今週はヤクルトの由規投手について。

 2007年の高校生ドラフト1位でヤクルトに入団した由規ですが、2013年に右肩を手術し復帰して5年目。久しぶりに肩の不安がないということで、プロ入り11年目の今年は、新人の時のような非常にフレッシュな気持ちだそうです。


復興への思い


 2011年3月11日、東北地方を襲った東日本大震災。由規は今年の3月11日に行われた広島とのオープン戦に登板し、4回を3安打3失点という投球内容でした。

 チームも彼の気持ちを汲み、これまでも肩の調子さえ良ければ3月11日に行われるオープン戦に登板させてきました。登板したということは、今年も肩の状態はまずまずだったということ。

 被災地の復興へ、少しでも力になればということで、その日はいつもとは違う気持ちで力投したようです。この試合では、147キロのスピードを記録するなど、コンディションは上々のようです。


小川監督の後悔


 由規は2011年、震災のあった年に右肩に異常を感じ、2013年に右肩を手術。2015年オフには育成契約となるなど、非常に苦しい時期を経て、再びヤクルトの先発ローテーションに戻って来ました。ただでさえ先発投手が少ないチーム事情もあり、彼の復帰をファンの皆様も望んでいることでしょう。

 ヤクルトの小川淳司監督は、「元を正せば、肩の状態を酷くしたのは、実は私なんです。少し痛がっていた時に、もう少し気を遣えばあんなに酷くならずに済んだ。ちょうどピッチャーがいなくなって困っていた時に、由規はまだ大丈夫だろうということで無理をさせたため、肩が壊れてしまった。由規に悪いことをしたと、今でも思っています」。

 その由規が、開幕から一軍で投げることが予想されます。これは非常に嬉しいこと。ということで、小川監督も感無量なんですね。


球団に直談判?!


 由規がヤクルトに入団したのは2008年。3月の新人研修会で私は、インタビューのテストで、「佐藤由規」と呼んだら、彼が「はい!」って非常に明るく、表情も声も明るい感じで出てきました。

 見た瞬間、「モテそうな顔をしているなぁ」と感じましたし、初々しく良い少年だなぁと。顔も表情も姿勢も良いし、喋り方も良い。声もリズムも良い、テンポも大丈夫。それからあまり訛りがない。仙台の子なんだけど訛りなんか全くない。咄嗟に、あれ?彼はスポーツアナウンサーに向いているなぁと、本能的に思ったのを未だに覚えています。

 そんなこともあり、ヤクルトが彼を育成契約にしようとした2015年のオフに、私は球団の幹部に、「育成などと言わずに、ユニフォームを脱がせて、スポーツアナウンサーにしたらどうだろうか」と直談判しました。選手を辞めて解説をやるということは当たり前で、面白くも何ともない。ただ選手を辞めてアナウンサーになるというのは、日本の野球界では初めての事例です。


生まれながらのアナウンサー資質!?


 由規の何とも言えないあの喋りには、良いリズムがある。喋りのリズムというのは、早さとはまた違った喋りの心地良さなんです。これは先天的なもので、生まれた時から持っている人は持っている。

 しかも由規は、声と顔も良いし、スピードの早い喋りにもついていける。アナウンサー、スポーツアナウンサーが1番向いている気がしたんです。彼からすれば、中途半端な感じでマイクの前に立つことはできないない、まだ年齢も若いし、投げたいということがあったのかもしれない。スポーツアナウンサーにするということは、実現しませんでした。

 由規には是非、いつか引退してからでも良いので、ニッポン放送ショウアップナイターのアナウンサーになって欲しいと思います。チャンスがあればそういう話をしたいですが、そんな話をすると、いかにも彼の引退を願っているようなので、何となく気が引けるんです。

 うまく話したいなと思いますが、こればかりは難しい話かもしれません。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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