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68年前の記録を打ち破れるか…ヤクルト・山田哲人にかかる期待

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ヤクルト・山田哲人(C)KYODO NEWS IMAGES

1番に入って異次元の数字


 開幕から3週間が経とうとしているプロ野球。各チームが同一リーグのチームとの対戦を終え、徐々にそれぞれの好不調がはっきりとしてきた。

 セ・リーグでは、昨季球団ワーストとなる96敗を喫したヤクルトが奮闘中。直近では3連敗が響いて8勝9敗と借金生活に突入してしまっているものの、首脳陣を一新し、青木宣親が帰ってきたチームは随所で“昨年とは違う”ところを見せている。

 中でも大きな変化と言えば、山田哲人の起用法だろう。2年連続でトリプルスリーに輝いたチームの主軸だが、3年連続を目指した昨季はシーズン序盤から極度の不振。自己ワーストの打率.247に終わり、本塁打24、盗塁は14個に留まった。

 その山田を、今季から再登板の小川淳司監督は「1番」で起用。打率は.262と完全復活とは言えないものの、リーグ2位の16四球を選んで出塁率.413はリーグ7位。盗塁はリーグトップタイの7つを決め、開幕3週間足らずで早くも昨年の半数を記録しているのだ。

 ただし、最も注目すべき数字は別にある。ホームに帰ってきた回数を現す“得点”だ。

 山田はここまでの17試合すべてで1番に入り、試合数を上回る得点20をマーク。これは両リーグで見ても断トツの数字である。3番に大砲ウラディミール・バレンティン、4番に帰ってきた青木が入る新打線において、高確率で出塁できて走ることもできる山田の存在感が際立っている。


チーム試合数を上回ったのはひとりだけ


 山田のキャリア最多得点は、“トリプルスリー1年目”の2015年に記録した「119」。リーグ2位の川端慎吾が87だったことを考えれば、それがとてつもない数字であることはすぐに分かる。ちなみに、1リーグ制時代をふくむNPB歴代で見ても10位タイに入るという好記録だった。

 それが今季は、試合数を上回るハイペースで得点を量産。後ろの打者との兼ね合いなど不確定な要素が多いとは言え、単純計算で年間168得点ペースになる。もちろん、これが実現すればシーズン歴代最高記録を更新する大偉業だ。

 2リーグ制となった1950年以降、チーム試合数を上回る得点を記録したのは1950年の小鶴誠(松竹)ただひとり。小鶴はチーム137試合のうち130試合に出場し、143得点を叩き出した。

 ちなみに、この年の小鶴は130試合で打率.355、51本塁打で161打点という大暴れでリーグ優勝に大きく貢献。得点数だけでなく、161打点と376塁打もプロ野球記録となっている。


山田哲人の挑戦


 68年前の記録となるとイメージが難しいかも知れないが、歴代2位の記録はわりと最近。小鶴にあと一歩まで迫る137得点を記録したのが、2001年のタフィ・ローズである。

 当時の近鉄といえば“いてまえ打線”。ローズは中村紀洋とともに強力打線の中枢を担い、歴代2位タイのシーズン55本塁打を放った。364塁打も小鶴に次ぐ第2位という好記録。小鶴よりも10試合多い140試合の出場だったとはいえ、驚異的な成績だ。


 こうして見ると、ワン・ツーはいずれもシーズン50本塁打以上を放ったアーチスト。上位2名は後ろの打者に頼るだけでなく、ある程度は自力で得点を稼いでいたことが分かる。

 山田も2015年には本塁打王に輝くなど、2年連続で38本塁打を記録した実力者ではあるのだが、それ以上の40発・50発を期待するのは酷な話だろう。その点でいえば、不利な面は大きいのかも知れない。

 ただし、山田には“足”という武器がある。単打での出塁でも盗塁を決めれば二塁打と同じチャンスを作り出すことになり、また微妙な当たりでも二塁からホームを陥れる走力がある。

 「1番」でチームを牽引する山田哲人は、半世紀以上も前の記録を打ち破ることができるか。生まれ変わったツバメ軍団の核弾頭から、目が離せない。


【NPB・シーズン得点記録】
1位 143得点 小鶴 誠(松竹/1950年)
2位 137得点 タフィ・ローズ(近鉄/2001年)
3位 130得点 藤村富美男(阪神/1950年)
4位 126得点 小笠原道大(日本ハム/2000年)
5位 121得点 岩本義行(松竹/1950年)
5位 121得点 西岡 剛(ロッテ/2010年)
7位 120得点 金本知憲(阪神/2005年)
8位 119得点 松井稼頭央(西武/2002年)
8位 119得点 赤星憲広(阪神/2005年)
8位 119得点 山田哲人(ヤクルト/2015年)

※2リーグ制(1950年)以降



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