ロッテ・平沢大河(C)KYODO NEWS IMAGES

◆ 「小学生以来の外野守備」も無難に

 4月21日、メットライフドームで行われた西武-ロッテの一戦。ロッテのスタメン発表時に場内がザワつく一幕があった。

 高卒3年目・平沢大河が「6番・右翼」で先発出場。仙台育英高時代から大型遊撃手として期待を受けていた20歳が、プロ入り後初となる外野での出場を果たした。

 「小学生以来」だったという外野であるが、失策もなく無難にこなしたうえ、試合には敗れたものの4回一死満塁の場面では走者一掃の三塁打。持ち前の打撃でも存在感を発揮しており、外野での起用にメドが立つようであれば、チームに新たなオプションが加わることになる。

◆ チーム・本人、お互いにとってメリット

 今季のロッテ外野陣を見てみると、荻野貴司がセンターで全試合に出場。レフトはルーキーの菅野剛士がメインで起用されていたが、このところスタメンを外れることも増えており、ライトも開幕から加藤翔平や清田育宏が代わる代わる入っていて、固定して戦うことができていない。

 控えには守備のスペシャリスト・岡田幸文が入っているものの、昨季も40打席で無安打と打撃面が永遠の課題。今季もここまで8試合に出場しながら、打席はゼロとなっている。

 こうした状況もあって、実現したのが平沢の外野起用。今年はオープン戦から打撃好調でアピールを続けながら、遊撃のポジションは即戦力ルーキーの藤岡裕大が確保。平沢は代打での出番が多くなっていた。

 外野のポジションに空きがある現状、そこに好調ながら出場機会が少なくなっていた平沢が使えるとなれば良いことずくめ。翌22日の試合でも同じように「6番・右翼」でスタメン出場しており、今後も井口資仁監督が平沢をどう起用していくのかに注目が集まる。

◆ 角中不在の間が勝負

 悩みの種となっている外野陣。もっとも大きな影響を与えているのが、角中勝也の離脱だろう。

 角中はオープン戦で守備中に負傷。「第12胸椎圧迫骨折」という大ケガで、現在は復帰に向けてリハビリ中だ。過去に2度の首位打者獲得経験がある打線の軸がいないというのは新監督にとっても心細い。

 しかし、長いシーズン離脱者はつきもの。その時に穴を埋める存在が出てくるかどうか、これが大きなカギを握る。

 平沢にとっては、角中のいない間に外野手としてどれだけアピールができるかが勝負。清田や加藤、菅野といった外野本職の選手たちとの競争に勝たなければ、スタメン落ちどころか二軍降格の可能性もある。

 一方、外野本職の選手たちにとっても、平沢という想定外のライバル出現に危機感を募らせていることだろう。好調な打撃に加えて、何かあった時には内野にも入れるというストロングポイントを持つ20歳を相手に、本職としての意地を見せつけなければ生き残ることはできない。

 新たなポジションで、その才能を開花させることができるか。そして、その戦いがチーム内に新たな競争を生む。あくまでもオプションのひとつなのかもしれないが、平沢の外野挑戦がチームにもたらす効果は大きい。

 就任1年目の井口監督はこのピンチをどう乗り切るか。平沢大河の起用法が、ひとつカギを握りそうだ。

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ベースボールキング編集部

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