“歴史的停滞”を見せたFA市場
開幕から1カ月が経ったメジャーリーグ。昨年のオフと言えば、歴史的な市場の停滞が話題に。多くのスター選手がなかなか決まらない去就に頭を悩ませたが、中でも“目玉”として注目を集めたのがダルビッシュ有とジェーク・アリエッタの2人だった。
本格的なストーブリーグの開幕前から多くのメディアで取り上げられた2人。ところが、12月に行われたウインター・ミーティングでも契約が決まらず、その後も交渉の噂こそ挙がるも正式な発表はなし。なんと2月に入っても両者の移籍先は決まらなかった。
先に動きがあったのはダルビッシュ。現地時間2月10日、キャンプインを目前に控えたところでカブスと6年契約で合意。ひとつ大きな山が動いたことで、市場も一気に加速していくものと思われていたが、アリエッタの去就は待てど暮せど決まらず。契約が決まったのはなんと現地時間3月11日のこと。ダルビッシュから1カ月遅れでの決着だった。
開幕後は対照的な2人
迎えたシーズン開幕。ダルビッシュは現地時間3月31日、開幕3戦目にシーズン初登板。ところが、5回を投げきることができず、4回1/3を5失点で降板。2度目の登板では6回1失点と立ち直りを見せるも、白星はつかず。するとその後は2戦連続で5回途中降板の黒星。現地27日の試合も6回1失点ながら白星はつかず、ここまで5試合の登板で未勝利。防御率5.26と苦しい姿を見せている。
一方のアリエッタは、調整の遅れもあってダルビッシュより1週間ほど遅い現地4月8日が初登板。この試合は黒星こそつかなかったが、4回3失点(自責2)で降板。調整不足は否めない内容だった。
それでも。2戦目は6回2/3を3失点(自責2)の力投で今季初白星を掴むと、その後も7回無失点、7回3失点(自責1)の好投で3連勝。直近の試合では4回途中6失点でKOされたが、ここまで5試合の登板で3勝1敗、防御率3.49とまずまずのスタートを切った。
大きな注目を浴びた分、大きな期待も背負わされる2人。ダルビッシュはまずひとつの勝利を、アリエッタはどれだけ白星を積み上げ、どれだけ貯金を稼ぐことができるか。昨オフの“目玉”のこれからに注目だ。
【17-18ストーブリーグの目玉】
▼ ダルビッシュ有(カブス)
5試(25.2回) 0勝2敗 奪三振29 防5.26
▼ ジェーク・アリエッタ(フィリーズ)
5試(28.1回) 3勝1敗 奪三振20 防3.49