西武の辻発彦監督

◆ 今年は広島と西武が首位通過

 ペナントレースが開幕して早1カ月。セ・リーグは2連覇中の広島が今年も強さを見せ、出だしから他の5球団をリード。パ・リーグは日本一に輝いたソフトバンクを抑え、昨季2位の西武が絶好調。圧倒的な打力を武器に、3・4月は19勝5敗というスタートダッシュを決めた。

 2008年以来のリーグ制覇へ…。西武ファンの期待も日に日に膨らんでいくが、いかんせんまだ4月が終わったばかり。思えば昨季も4月は楽天が首位を快走していたが、最終的には失速して3位に終わっている。

 そこで今回は、「4月首位チームのシーズン終了後の成績」に注目。スタートダッシュがその後のシーズンにどれだけ影響を与えるのかを調べてみた。

◆ Aクラス入りは確定!?

 検証したのは過去5シーズン(2013年~2017年)の4月首位チームのシーズン最終順位。同時に、その年の優勝チームが4月の時点で何位だったのかもチェックした。まずは、パ・リーグから見てみよう。

▼ 2013年
・4月首位:西武(18勝9敗)
⇒ 最終成績:2位

☆優勝:楽天
[3・4月成績] 11勝14敗(同率4位)

▼ 2014年
・4月首位:オリックス(19勝8敗)
⇒ 最終成績:2位

☆優勝:ソフトバンク
[3・4月成績] 15勝10敗1分(2位)

▼ 2015年
・4月首位:日本ハム(16勝9敗)
⇒ 最終成績:2位

☆優勝:ソフトバンク
[3・4月成績] 13勝11敗2分(3位)

▼ 2016年
・4月首位:ロッテ(17勝10敗1分)
⇒ 最終成績:3位

☆優勝:日本ハム
[3・4月成績] 13勝15敗(4位)

▼ 2017年
・4月首位:楽天(16勝5敗)
⇒ 最終成績:3位

☆優勝:ソフトバンク
[3・4月成績] 14勝12敗(3位)

 直近5年の成績を見てみると、4月を首位で折り返したチームがそのままリーグ優勝した例はゼロ。いずれもどこかで逆転を許してしまっているという結果になった。

 それでも、4月を首位で通過したチームはすべてAクラスでフィニッシュ。やはりスタートダッシュは肝心で、4月首位通過チームがBクラスに終わったのは、パ・リーグでは1999年の近鉄(6位)が最後となっている。

 優勝できないのがジンクスになりつつあるのは気になるところだが、果たして今年の西武はそれを覆すことができるだろうか。

◆ セ・リーグ優勝チームは早くも絞られた!?

 続いてセ・リーグの過去5シーズンを見てみよう。

▼ 2013年
・4月首位:巨人(18勝8敗2分)
⇒ 最終成績:1位

▼ 2014年
・4月首位:広島(18勝9敗)
⇒ 最終成績:3位

☆優勝:巨人
[3・4月成績] 16勝11敗(3位)

▼ 2015年
・4月首位:巨人(16勝12敗)
⇒ 最終成績:2位

☆優勝:ヤクルト
[3・4月成績] 15勝13敗(2位)

▼ 2016年
・4月首位:広島(16勝12敗)
⇒ 最終成績:1位

▼ 2017年
・4月首位:広島(16勝10敗1分)
⇒ 最終成績:1位

 直近5年のうち、4月首位チームのリーグ優勝が半数を超える3例もあったセ・リーグ。逆転したチームも4月の時点で首位チームをピタリと追走できる好位置につけており、パ・リーグよりもスタートダッシュがカギを握る傾向にあると言えそうだ。

 ここ2年続けて4月を首位で終え、そのまま優勝まで突っ走っている広島。今年も同じように先行逃げ切りを果たすことができるのか。こちらも注目だ。

文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

【福嶌弘・プロフィール】
1986年、神奈川県生まれ。バイク・クルマの雑誌の編集部を経て2015年からフリーライターに。父が歌う「闘魂込めて」を聴いて育ったため、横浜出身ながら生来の巨人ファン。『甲子園名門野球部の練習法』(宝島社)『プロ野球2017 シーズン大展望』(洋泉社)、『がっつり!プロ野球』(日本文芸社)などに執筆。

この記事を書いたのは

福嶌弘

福嶌弘 の記事をもっと見る

もっと読む