◆ 得点圏打率.538も、上位の出塁率が…
ここまで13勝18敗と、今季も苦しい出だしとなった中日。そんな中、新加入のソイロ・アルモンテ外野手が、打率.353、5本塁打、23打点と好調を維持している。
新たに加わったスイッチヒッター。春季キャンプ中から「1打席でも多く打席に立ちたい」と直訴し、練習試合から率先して試合出場を重ねてきた。その成果もあり、早くも日本野球に順応。各打撃ランキング上位に名を連ねている。
対戦相手も弱点を模索しているが、低めの変化球を上手く拾えるバットコントロールがあり、インハイのボール球は悠然と見送る。もともと選球眼に優れた打者で、四球数はチームトップの17。出塁率はリーグ4位の.436だ。
キャンプ、オープン戦では右打席で結果を残せなかったが、ここまでの右打席打率は.395。左でも同.333と、左右のバランスも申し分ない。さらに、得点圏打率はリーグ2位の.538で、OPS(出塁率+長打率)は驚異の1.005。外野守備にやや不安はあるが、頼りになる打力で中日ファンの心をガッチリとつかんだ。
◆ 2年目のジンクス!? 苦しむ昨季の新人王
ただ、3番のアルモンテを活かし切れていないのが今の中日打線だ。ここまで31試合中30試合で大島洋平、京田陽太の1、2番を組んできたが、大島は打率.234、出塁率.310と物足りない数字。京田も打率.223、出塁率.257と不振に陥っている。加えて、アルモンテのうしろを打つビシエドは、打率.303ながら、得点圏打率は.179。これでは得点力が上がってくるはずもない。
5-7で敗れた6日の阪神戦も、拙攻を繰り返した。3度の満塁機を逸したのもそうだが、15安打4四球で再三塁上を賑わせながら、1番大島、2番京田は揃って5打数1安打0四球。5号ソロを含む4打数2安打、1四球1打点を記録した3番アルモンテは、一度も得点圏で打席に入れなかった。
中でも、2番を打つ京田の不調が響く。今季は出塁率アップを目標に掲げていたが、ここまで139打席に入り、四球はわずか5つ。OPSは規定打席到達者の中ではワースト2位の.496と低い。守備面と将来性を考慮すれば、京田はスタメンから外せない存在。ただし、打撃が上向かない現状を鑑みれば、下位に置いて復調を待つのが賢明ではないだろうか。
一方で、平田良介は現在5試合連続安打中で、通算でも打率.292、出塁率.348を記録している。昨年痛めた右膝の状態もよさそうで、スピード感のあるベースランニングも復活。上位で使い、アルモンテの前に置く選択肢もアリだろう。
DeNAは6日の巨人戦で、2番に新外国人のソトを入れて大量12点を奪った。中日は5月に入ってからの全6試合で、初回の得点がない。借金「5」からの巻き返しへ、そろそろ動いてみてもいい頃ではないだろうか。