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【一問一答】内川が語った2000本の重圧「自分が自分じゃないような…」

苦しんだ2000本目


  ソフトバンクの内川聖一内野手は9日、敵地で行われた西武戦の8回にセンターへの安打を放ち、通算2000安打を達成。プロ入りから18年目で迎えた、プロ野球史上51人目の快挙だった。

 「やっと、やっと打てた。しんどかったな…というのが今の素直な思いです」と、率直な気持ちを吐露した35歳のベテラン。王手をかけてから14打席無安打と苦しみながらも打ち立てた金字塔について、試合後に詳しく語った。


「ホッとした」


―― 記録を達成して

打ててホッとしたのと、全身の力が抜けました。ホッとしました。


―― 偉大な選手たちと肩を並べた実感は?

名球会に入る資格を得ただけで、決して肩を並べたとは思っていないですし、
ここで終わりではないので、これからずっとまだまだ頑張りたいなと思います。
僕から見ると憧れの先輩ばかり。肩を並べることは一生ないです。



―― 最後の打席だった

明日移動日で休みだったので、
今日打たなかったらずっと悶々として過ごさないといけないなと。


千葉の時点で残り2本となり、「今日見れるんじゃないか」と思って
スタンドに足を運んでくれたファンの方もたくさんいたと思いますし、
地元・福岡でも3試合ありましたので、
そこで何とかという気持ちでやったんですけど、
上手くいかなかったので。。。


何とか早くファンの皆さんに2000本目を見せたいという気持ちと、
あとは監督・コーチをはじめ、チームメイトが残り1本になってからは
ずっとベンチで立って応援してくれていたので、
結果的に14打席も立ったり座ったりさせてしまったので、
早く打っていつも通りベンチで応援してほしいなという気持ちだけで(笑)



―― 打った瞬間、球場全体が一つになったような

選手の一人として、チームに迷惑をかけるのが苦しいことでしたので。
4番を打たせてもらってもいますし、
2000本に対して「打てない」という気持ちよりも、
チームの良い流れを作れないということの方が苦しい部分もあったので、
走者一塁の場面で一・三塁にチャンスを広げられたという喜びと、
ようやく2000本にたどり着いたなとホッとした部分と、両方ありました。



「やっと親孝行できたかな」


―― 家族の存在

早く達成しないと父の仕事にも影響がでるなと思っていましたし、
弟も千葉からずっときてくれていたので(笑)


幸いにも、「記録を見てから、仕事よりもそっちを優先して来い」
と言ってもらったと弟も言っていたので、
早く達成しないと本当に色んな人に迷惑をかけるなと思っていました。


あー、なんか、一大イベントが終わったような、そんな感覚です。


―― お父さんについて

僕の野球を一番長く見てくれているのが父だと思いますし、
高校時代も父の下でやっていましたので。
父の教え子としてプロ野球選手になれたことも嬉しかったですけど、
こうやって2000本という区切りのヒットを生で見てもらえたというのは、
やっと親孝行ができたかなと。
どちらかというと心配しかしていなかったと思うので、
プロ野球選手として色々なタイトルをとらせてもらいましたけど、
最高の親孝行になったんじゃないかと思います。



「自分が自分じゃないような感覚」


―― 報道陣も多く、ファンも注目した数試合

自分が自分じゃないような感覚でした。
今までなら正直、気を抜けたようなところが、
カメラが向いていることを意識して気を抜けないこともたくさんありましたし。


最近でいうと、清宮(幸太郎/日本ハム)くんが
常にこういう環境の中で普段通りにやっているのは凄いなと。
今日ホームランを打ったことも聞きましたし、
こういう状況の中で高校を卒業して、
1年目ですぐに結果を出すというのが凄いなと思いますし、
どちらかというと尊敬しかないです。
うらやましいです。



―― この経験はプラスになる?

目の前で起こっていることに対して、
ただそれを過ごすだけではいけないと思っているので、
2000本目を打つまでに結果が出なかった気持ちであったり、
なんとかチームのために打ちたい、
ファンのために打ちたいと思ってやってきた気持ちというのは、
自分の中で大事にしてやっていきたいです。


現状、トータル的な数字で言えば、
僕自身も満足できるものではないので、
これを自分の中で良い勢いに変えて、
チームに貢献できるような選手になりたいと思います。




「常に期待に応えられる選手で居続けたい」


―― プロに入って7000打席以上。これまで1打席1打席大切にしてきたことは?

基本的には全打席ヒットを打ちたいと思うことだと思います。

プロ野球というのは、トータルで3割打てば良いバッターという評価ですけど、
どんな状況でも1打席には変わりないので、その1打席1打席をしっかり大事にする、
全打席ヒットを打つんだという気持ちのなかでやってみて、
トータルでどれくらい打てるのかは常に意識してやってきたつもりです。



―― 印象に残っている一本は?

ヒットを打てた喜びは、1本目から2000本目まで基本的にうれしいですけど、
やっぱりプロに入って1本目のヒットと、今日の2000本目のヒットというのは、
一生忘れられないヒットになると思います。
年数を重ねると、若いころは良かったなと。
自分の中で色んな知識が入ってきたり、
色んな経験が増えてくると打席に立つのが怖くなるときもありました。


特にこの2000本を打つまでは早く打ちたいという気持ちと同時に、
打たなかったことに対する周りの方の反応というのも、
すごく自分の心が揺さぶられた時期もありましたので。
これからもファンの皆さんをガッカリさせないように、
常に期待に応えられる選手で居続けたいなと、
2000本目を打ってあらためて思いました。



「野球が僕を離してくれなかった」


―― 18年のシーズンを振り返って

こういう記録を達成した方からは、
「野球を裏切らずにやってきた」という言葉をよく聞くんですけど、
僕の場合は何回も野球を裏切りましたし、
「もうやってられるか」「もうやめる」って何回も思いました。


でも、そういうときに限って
“野球をやめさせてくれない出来事”
みたいなことが常にあったので、
野球が僕を離してくれなかったなと思います。



―― これからを楽しみにしている人たちに

結果で喜んでもらえるのが一番喜ばしいことだと思うんですけど、
結果が出なくても、僕が打席に立った時に
何か期待してもらえる選手で居続けたいなと思います。


一見、パッと見で何かとてつもないものを持っているような、
そんな選手ではないと思っているので。
それでも、チームの4番としてやらしてもらっていますので、
何とかチームの勝ちにちょっとずつでも貢献できるような、
そんな選手で居続けたいなと思います。
頑張りたいですね。



―― 明後日からの試合は違った気持ちで臨める?

本当に正直なことを言わせてもらうと、
2000本目を打つまでの注目度がすごく嫌な感じだったので(笑)


自分の気持ちの中では、
“これだけ注目された中で野球をやれるありがたみ”を
わかっているつもりでしたし、
こんな幸せなことはないなと思っていたんですけど、
心の中に本当に少しだけ
「あーまた、こんなにカメラを向けられてやらなきゃいけないのか」
って思った自分がいました(笑)


それがちょっと和らぐかと思うと、ホッとする部分と…
これがなくなるとちょっと寂しくなんるじゃないかと思う自分と(笑)
両方いますので、今度は試合の中で良い結果を出して、
皆さんにカメラを向けてもらえるように頑張りたいなと思います。




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