ニュース 2018.05.22. 11:30

大谷翔平は“規格外”の選手!?【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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エンゼルスの大谷翔平

監督からの厚い信頼


 今週は大谷翔平選手のことを色々お話ししたいと思います。世の中はもう、野球といえば“大谷翔平”以外どこにも話題がないのかというくらい、大谷翔平で持ちきり。

 アメリカに取材に行っていた、第一団の新聞記者の皆さんがぼちぼち日本に帰ってきていて、彼らが色々情報をもたらしてくれるので、それらをまとめて今日はお話ししたいと思います。

 エンゼルスの強打者の中で、2番バッターで登場するくらいソーシア監督の信頼が厚い。日本でも去年、楽天の梨田監督が2番に強打者を使っていましたが、今まで日本の野球というのは、1番バッターがヒットで出る。ここに最も出塁率の高い選手を置いて、ヒットで出たら、2番バッターがバントで送る。あるいはライトへボールを流し打って、ランナーを3塁へ進める。

 細工をしてお膳立てができて、3番4番というのが、これまでの普通のやり方だったんです。しかし、何年か前からアメリカは2番強打者というのを言うようになって、トップが出たら一気に2番でホームランを打って相手ピッチャーを潰せという、そういう攻撃方法になっています。したがって2番に、今まで4番を打っていたような強打者が入るのですが、先日、ソーシア監督は大谷を2番で使い、あの時は本当にびっくりしました。


3LDKのマンション?!


 ところでこの大谷翔平君ですが、アナハイムでは3LDKの普通のマンションを借りて、生活しているとのこと。ただ、食事に行くついでに遊びに行くとか、そういうのは一切、見たこともしたこともないというんです。食事なんかは自分たちでやるか、あるいはその辺に食べに行くらしいんですけど、とにかく特別なところには全く行かないらしいんです。きわめて普通の生活をしているらしい。

 で、彼が1番やることっていうのは、とにかく野球。なんでも野球。野球に関係するトレーニング、ウェイトトレーニングをはじめ、すべて計画を立てて1日を暮らしていく。ほとんど野球で占められているそうです。

 それから、本を読むのが好きで、日本からたくさん本を持っていっているそうですが、特に何にもない時、気晴らしの時には漫画を読んでいるそうです。何の漫画を読んでいるのか、記者のみなさんもそこまで取材はできないので、何の漫画かは話に出てこないんですけどね。ただ、漫画を読むのが大好きで、それが気分晴らしになっているそうです。


大谷翔平=野球!?


 日本にいる時から、全てが野球中心の生活で、日本ハムの担当記者がよく言うんですけど、例えば札幌から大阪へ遠征に出るとき、飛行機で空港に着き、ホテルに入って荷物をほどいて、さあ夕方までっていうと、もう大谷翔平はどこかに行っていないと。

 パチンコ行っているわけでもない。映画を観に行っているわけでもない。ちゃんと大阪なら大阪で、自分が契約したトレーニングジムにいて、トレーニングをする。そういうのが福岡にもあるし、仙台にもあるし、東京にもある。そういう拠点を全ての場所に持っている。そこへ行って一生懸命時間をつぶし、夕食頃ホテルへ帰ってくると。で、夕食を食べて、また野球に関係のある本を読んだり、トレーニングをしたり。

 とにかく、野球を取ったら何が残るんだろうというくらい、大谷翔平はアメリカでも野球に没頭しているそうです。


大谷を形成したルーツは…


 そして、エンゼルスの選手たちが驚いているのは、ピッチャーとして非常にボールが早いだけではなく、今まで見たこともないようなキレを持っていると。また、打者としての飛距離にしても、トラウトいう強打者がいて、3000本安打を達成したプホルスという、とにかくもう岩のような体の選手ですけど。トラウトやプホルスより、練習では打球が飛ぶというんですね。

 しかもトラウトもプホルスもめいっぱいフルスイングをする。大谷は、なんとなく打つ。さりげなく打って、大谷の打球のほうが遠くに飛ぶというので、練習を見て驚いているようです。一体どこにこいつは力があるんだ。非常に不思議そうに見ているそうです。

 小さい頃、バッティングを誰に教わったのか? その時々で色々あるとは思いますけど、基本を誰かから教わって、何か困るとその人の元へ行って修正するというようなルーツがないそうなんです。

 例えば松井秀喜さんだったら星稜高校の山下監督にしっかり基本を教わって、プロに入ってからは長嶋茂雄さんが付きっきりでバッティングを見守っていた。江川卓さんにしても法政大学のOBで、江川さんのピッチングを常に見ている人がいた。

 そして、スランプや困ったりすると、その人のところに行って基本の形に戻る。そういう形があったんですが、大谷の場合は、小さい頃から彼のバッティングを作ったルーツがないという。

 ですから問題は、良い時は良いのですが、スランプになったらどうするのだろうと。これは余計な心配かもしれませんが、ひょっとしてスランプにならないんじゃないか? そんな感じもしますね。

 アメリカに行って、右足を踏み出さずにノーステップで打っていることが取り沙汰されますけれど、彼はこのように言っているそうです。「そうではなくて、小さく踏み出している。踏み出すというとオーバーだけど、ノーステップではない」と。

 それだって誰からのアドバイスでもなく、自分のアイデアだという。だからこそ、皆が感心しているわけです。


説明ができない!?


 スポーツジャーナリストの鷲田康さんが、アナハイムの取材から帰ってきたので色々と話を聞いたのですが、エンゼルスのエプラーGMは「翔平はいつの間にかチームに溶け込んで、自分自身がやりやすいように変わっている。それは、昔から授かった彼の天賦の才能ではないかと思う。それは本当に彼にとって宝物だと思う」とか、「身体能力が非常に高い」といった言葉は出てくるんですが、もっと具体的にここが良いというのは出てこないというんです。

 GMと話してもそうなら説明できないんじゃないかって言うんですね。良い点はどこだとか、体がどうだとか色々ありますけど、説明できない部分で大谷翔平選手が目立っているのではないかと。向こうでも皆が感心しているようですが、当たり前ですね。

 近年では誰も経験したことのない大リーグの二刀流いうものにあえて挑戦している23歳の大谷翔平。まあ順調なことばかりとは限らない。これから色んなことがあるのは当たり前だと思うんです。多くの試練にぶち当たるでしょうけど、我々も精一杯応援して、なんとか大谷翔平が無事に野球人としての生活を送れるように願っています。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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