得点力不足の阪神はアベレージヒッターを補強
今シーズンも昨年と同じ2球団が動いた。ヤクルトと阪神である。6月10日時点で支配下登録には至っていないものの、両球団が新外国人選手を獲得することが濃厚だという。投手陣が踏ん張っているものの、リーグ最少の174得点と打線が湿っている阪神はシカゴ・カブス傘下の3Aであるアイオワ・カブスに所属するエフレン・ナバーロをリストアップしている。アイオワ・カブスは2017年シーズンにマット・マートン(元・阪神)も所属していた。
今シーズンのナバーロはメジャーで4試合に出場し打率.167(6打数1安打)と結果を残せていない。しかし、3Aでは48試合で打率.310(184打数57安打)、4本塁打、29打点と好成績だ。過去のシーズンを見ると2桁本塁打に到達したのは、2011年(3A)での12本塁打のみ。本塁打を量産するタイプではなくコンタクトヒッターとなりそうだ。
昨シーズンも阪神はシーズン途中にアベレージ型のジェイソン・ロジャースを補強した。40試合で打率.252、5本塁打、23打点の成績を残したが、クライマックスシリーズ前に帰国している。
ナバーロはロジャース以上の働きを最低限でも求められ、タイプは違うもののウィリン・ロサリオに変わる主軸として期待されることになる。貧打に泣いている金本知憲監督はどのように起用していくのか今から楽しみだ。
【阪神の在籍外国人選手】
<投 手>
マテオ(14試合:0勝1敗4H/防御率5.11)
モレノ( 8試合:0勝0敗3H/防御率2.70)
メッセンジャー(11試合:7勝3敗/防御率2.20)
ドリス(22試合:1勝2敗16S/防御率2.05)
<内野手>
ロサリオ(48試合:打率.230/4本塁打/22打点)
好調ヤクルトはブルペンの補強へ
交流戦で7連勝を記録するなど、破竹の進撃を続けているヤクルトはブルペンの補強を行うようだ。報道によると、メキシカン・リーグで中継ぎとして起用されているジェイソン・ウルキデスの獲得が濃厚と見られている。
現在、外国人枠は野手でウラディミール・バレンティンが1枠。投手陣でエース級の働きを見せているデービッド・ブキャナン、先発左腕のデーブ・ハフ、中継ぎとして好結果を残しつつあり、先発へ転向も噂されているマット・カラシティーで3枠を使用中だ。現時点で故障などはないものの、ブルペンの層を厚くすることで2015年以来となる優勝の再来を目指すといったところか。
今シーズンのウルキデスはメキシカン・リーグで20試合に登板し0勝0敗8セーブ、防御率2.29と安定した投球を見せている。契約合意に至れば、二軍で調整後にブルペンを任されることになりそうだ。夏場の苦しい時期に、故障やコンディション不良が起こっても対処できるようになるのは心強いだろう。
ヤクルトは昨シーズンも川端慎吾の負傷もあって、シーズン途中にカルロス・リベロを補強した。54試合で打率.215、6本塁打、21打点と期待された働きを見せることはできなかったが、ウルキデスは果たして!? 投手と野手の違いはあるものの期待は大きい。
シーズン途中の外国人補強を2年連続行うことになった両チーム。現有戦力だけでは不安があることの裏返しという見方にもなるが、「フロントが動く」ということは現場も心強いはず。正式な契約、そして支配下登録の日を楽しみに待ちたい。
【ヤクルトの在籍外国人選手】
<投手>
ブキャナン(11試合:5勝3敗/防御率2.65)
カラシティー(17試合:4勝0敗/防御率1.93)
アルメンゴ(登板機会なし)
ハフ(10試合:1勝4敗/防御率3.77)
<外野手>
バレンティン(54試合:打率.263/16本塁打/45打点)