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西武に“ドラ1ローテ”誕生?今井達也はチームの救世主となるか

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プロ初登板・初勝利を挙げた今井達也と辻発彦監督(C)KYODO NEWS IMAGES

紆余曲折を経ての鮮烈デビュー!


 パ・リーグ首位の西武に新星が現れた。

 6月13日のヤクルト戦で、2016年のドラフト1位右腕・今井達也がプロ初登板・初先発。交流戦首位をひた走るヤクルトを相手に6回1失点の好投を見せ、デビュー戦で勝利を挙げた。

 2016年の夏、作新学院のエースとして夏の甲子園を制覇。大会前までの時点で“高校ビッグ3”として注目を浴びていた寺島成輝(履正社→ヤクルト)、藤平尚真(横浜→楽天)、高橋昂也(花咲徳栄→広島)に自らの名を加え、ドラフト時には“ビッグ4”として大きな注目を集める。

 そのドラフト会議では西武から1位指名を受け、その年のオフにFA移籍した岸孝之の背番号「11」を継承。大きな期待を受けていたが、1年目は右肩の故障などもあって出遅れ、二軍で地道な鍛錬の日々。デビューに向けて着実に歩みを進めていたが、2年目のシーズン海幕を前にした今年の2月、所沢市内のパチンコ店で未成年ながら喫煙をしている姿が写真週刊誌に激写され、厳重注意と対外試合の出場停止処分が決定。ファンの期待を裏切ってしまった。

 それでも、5月1日に処分が解除されて以降はファームで好投を続け、ここまで4試合の登板で2勝1敗、投球回数を超える27個の三振を奪って防御率は2.52。アピールが実り、ついに一軍デビューの切符を掴む。

 はじめての一軍マウンドにも動じることなく、20歳とは思えぬ落ち着いた投球を展開。味方の失策絡みでの不運な失点にも動揺することなく、6回を投げて被安打5、与四球2、最速は152キロをマークして、6奪三振で1失点。プロ初勝利にも浮かれることなく、お立ち台でも終始堂々とした口調で喜びを語っていたのが印象的だった。


投手陣の救世主に


 この1勝はチームにとっても大きい。

 投打が噛み合った3・4月は19勝5敗のロケットスタートを切った西武だったが、5月は10勝14敗と負け越し。6月はここまで6勝4敗と勝ち越しを作っているものの、開幕直後の勢いは失われつつある。

 特に苦しいのが投手陣で、チーム防御率4.09はリーグワーストの数字。先発陣はリーグ2番目の防御率3.83を記録しているのに対し、救援陣がリーグワーストの防御率4.63とリリーフ陣が足を引っ張っている印象もあるが、そうとは言い切れない部分もある。以下のデータをご覧いただきたい。

【期間別・西武の先発/救援成績】
▼ 開幕から4月30日まで
[先発] 24試(148.2回) 17勝5敗 防3.51
[救援] 69試(63.1回) 2勝0敗5S 防4.69

▼ 5月1日から6月13日まで
[先発] 34試(196.2回) 14勝11敗 防4.07
[救援] 106試(104.0回) 2勝7敗6S 防4.59

▼ 通算
[先発] 58試(345.1回) 31勝16敗 防3.83
[救援] 175試(167.1回) 4勝7敗11S 防4.63


 上記はチームが好調だった4月までと、5月1日以降の先発/救援陣の成績の比較。こうして見ると、リリーフ陣は(もとの数字が良くないとはいえ)防御率ベースでは良化しているのに対し、先発陣の成績が落ちていることが分かる。

 また、先発陣は成績悪化に伴い、消化イニング数も減少。4月までは1試合あたり平均6.1回を投げていたのが、5月以降では5.7回になっている。そうなれば当然リリーフ陣にしわ寄せが来るため、元々厳しい事情だった持ち場がさらに険しい状況に追い込まれているのだ。

 このようにリリーフに限らず、投手陣全体に希望の光をもたらす男の登場が待たれていた中、ついに現れた救世主候補。これには辻発彦監督も「次も当然ローテーションで投げさせます」と明言しており、一軍定着に期待がかかる。


“ドラ1ローテ”誕生?


 もしも今井が先発ローテに定着するとなると、ひとつ楽しみなことがある。まずは今季の西武先発陣の顔ぶれを振り返っておこう。

【西武・先発投手陣の主な顔ぶれ】※先発数順
11試合 多和田真三郎:7勝2敗 防3.72
11試合 カスティーヨ:4勝4敗 防4.40
10試合 十亀  剣 :4勝5敗 防3.11
8 試合 菊池 雄星 :7勝0敗 防2.95
7 試合 榎田 大樹 :5勝1敗 防2.56
6 試合 ウルフ   :2勝1敗 防5.97

 今季はこの6人がメインで、以下は2試合に登板した高木勇人に、1試合の佐野泰雄と誠、そして今井と合計でも10人しか先発していない。


 実は今季ローテーションに入っている日本人投手たちと今井には“ある共通点”がある。全員「ドラフト1位でプロ入り」した選手たちということだ。

【ドラ1ローテ形成?】
・菊池雄星:2009年1位(花巻東高→西武)
・榎田大樹:2010年1位(東京ガス→阪神)
・十亀 剣:2011年1位(JR東日本→西武)
・多和田真三郎:2015年1位(富士大→西武)
・今井達也:2016年1位(作新学院高→西武)

 榎田はトレードで移籍してきた選手ではあるが、これだけの人数が見込んだ通りに戦力となって力を発揮しているというのはスカウト・編成としても鼻が高いことだろう。

 今井を加えた“ドラ1ローテ”は、先行逃げ切りを図る西武の新たな目玉となるか。注目だ。



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