東北福祉大がサヨナラ勝ち
全日本大学野球選手権大会4日目
準々決勝 (神宮球場)
延長タイブレークを制した東北福祉大が準決勝進出を決めた。東北福祉大は1回裏、1番・吉田(4年・国士舘)の先頭打者本塁打で先制。このリードを先発の津森(3年・和歌山東)が守り、試合は1-0のまま9回を迎えた。
9回も二死一、二塁と勝利まであとアウト1つまでこぎ着けた津森。しかし、「一か八かだった」(白鷗大・黒宮監督)と、二塁走者が三盗を狙ってスタートを切ったところで東北福祉大・津森は二塁方向へ悪送球。
「捕手からけん制のサインが出ていて…。振り返って見たら、ショートがベースに入っていなかった。止められなかった」と津森。そのまま走者を返して同点に追いつかれ、延長戦に突入した。
延長戦は無死1・2塁で始めるタイブレーク方式。東北福祉大・大塚光二監督から「何も言われなかったので。(交代と言われても)自分がいく、と言っていた」という津森は延長10回表を抑えると、その裏、味方打線は無死満塁のチャンスを作る。
ベンチで両手を握り合わせ祈るような表情で「何がなんでも勝ちたい。打ってくれと思っていた」という津森の前で、先頭打者本塁打を放っていた1番・吉田がセンターへサヨナラ犠飛。東北福祉大がベスト4進出を決めた。
春のリーグ戦の登板は2試合のみ
津森は今年3月29日に行われた社会人とのオープン戦で投げ終えた後のアイシング中、ベンチの椅子が壊れて転倒するアクシデントで右手中指の爪を剥がしていたため、春のリーグ戦では2試合、計4イニングのみにとどまった。
右のサイドハンドでスライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシームも投げるが、この日は「7割がストレート。自信があるとはストレート」と話す通り、最速147キロの直球が武器だ。
昨年は日米大学野球選手権の日本代表にも選ばれたが、今年の代表入りの知らせはまだない。「追加のメンバーもあると聞いているので。この全国の場で活躍してチャレンジしたい」。延長10回128球の熱投でチームをベスト4へ導いた右腕は意気込んだ。
(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)