今井達也
西武・今井達也 (C) Kyodo News

◆ 初登板・初先発・初勝利は松坂以来

 パ・リーグ首位を走る西武に楽しみな新星が現れた。

 6月13日、本拠地・メットライフドームで行われたヤクルト戦。交流戦首位攻防の重要な一戦で一軍デビューを果たした高卒2年目の今井達也が、6回1失点の好投でプロ初勝利を挙げた。

 初回から最速152キロを計測するなど、力強い真っ直ぐと鋭いスライダーのコンビネーションで好調・ヤクルト打線を翻弄。味方のミスが絡んでの失点にもまったく動じることなく、6回を投げて被安打5、与四球2、三振6つ奪って1失点。西武の高卒投手によるプロ初登板・初先発・初勝利は、あの松坂大輔(現中日)以来のことだという。

 ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。2016年夏、栃木・作新学院のエースとして甲子園を制覇。秋のドラフト1位で西武に入団すると、同年にFAで移籍した岸孝之の背番号11を受け継ぎ、春のキャンプでは菊池雄星以来となる一軍スタートを勝ち取るなど、大きな期待をかけられた。

 ところが、前年の熱闘の代償か肩の故障により二軍に降格となると、同世代が1年目からデビューを飾っていくのを尻目に一軍登板なしでシーズンを終了。二軍でも7試合の登板に留まり、思うようなスタートを切ることはできなかった。

 すると2年目のシーズンを目前に控えた今年2月、未成年ながら喫煙行為が発覚して対外試合出場停止処分に。一軍に挑戦どころかユニフォームの着用すら禁じられてしまう。それでも男は腐ることなく、遅れを取り戻すために奮起。5月に入って処分が解除されると、ファームで結果を残して一軍デビューのチャンスを掴んだ。

 「しっかり勝てたので良かった」。高卒2年目とは思えないほどの落ち着きぶりで喜びを語り、「これからは僕が両親を支えていけるように」と決意を語った20歳。試合後、辻発彦監督は「次も当然投げさせます」と明言しており、今後のさらなる活躍に期待がかかる。

◆ 復活を期す2013年の甲子園優勝投手

 そんな今井の快投で思い出されるのが、3年前の夏に彗星のごとく現れ、チームを快進撃に導いていった男の姿。2014年のドラフト1位右腕・高橋光成である。

 まだ高校2年生だった2013年の夏、群馬・前橋育英高を初出場・初優勝へと導いた怪物右腕。2014年のドラフト1位で西武に入団すると、翌年8月には高卒1年目ながら一軍デビューを果たす。初戦こそほろ苦い経験となるも、プロ2戦目に初勝利を挙げるとそこから破竹の5連勝。18歳6カ月の若さで月間MVPに輝き、松坂が持っていた月間MVPの最年少記録を塗り替えてみせた。

 しかし、その後に待っていたのは苦悩の日々。度重なる故障にも苦しめられ、ここまでプロ3年で12勝止まり。1年目の5勝がキャリア最多の勝ち星となっている。

 今季もコンディション不良が長引き、苦しい日々を過ごしてきたが、5月末に待望の実戦復帰。慎重を期してまずはリリーフからのスタートとなるも、ここまで2試合・3回を投げて防御率3.00という成績が残っている。

 すぐの復帰は見込めないものの、一歩ずつ歩みを進めていることは間違いない。チームが苦しくなってくる後半戦の救世主候補として、右腕にかかる期待は大きい。悲願の優勝をめざす西武の秘密兵器として、2人の甲子園優勝投手に注目だ。

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ベースボールキング編集部

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