エンゼルスのスーパースター、マイク・トラウト

◆ 通算1000試合に到達

 現地時間21日(日本時間22日)、本拠地で行われたブルージェイズ戦に出場したマイク・トラウトが通算1000試合出場を達成した。

 今季から大谷翔平がエンゼルスに加わったことにより、日本でも取り上げられる機会が増えたスーパースター。19歳という若さでデビューを果たしてから多くのタイトルを手中に収め、今では“現役最強野手”の呼び声も高い。

 2012年の新人王と盗塁王を皮切りに、2014年には打点王のタイトルも獲得。2014年と2016年にはリーグMVPにも輝いた。さらに2012年から昨年まで6年連続でオールスターに選出されており、今季も文句なしで選ばれるだろう。しかも、そのオールスターでは2014年と2015年にMVPを獲得している。

 まさに“持ってる”男――。これだけの輝かしい実績を誇りながら、年齢はまだ26歳。オールスター後の8月7日にようやく27歳の誕生日を迎えるというから驚きだ。

 そして能力の高い選手ほどケガに泣かされることも多いが、このトラウトはケガにも強い。昨季は左手指の骨折で114試合の出場に留まったものの、2013年から2016年にかけては4年連続で150試合以上に出場している。「1000試合」という数字は大台でもなんでもなく、まだまだ通過点。ここからのさらなる活躍に期待がかかる。

◆ 狙ってもらいたい記録

 トラウトの最大の魅力と言えば、「打って・走って・守れる」という点だろう。

 現役屈指のオールラウンドプレイヤーとして知られ、2012年には打率.326、本塁打30、盗塁49でトリプルスリーも達成した。今季も打率.332で出塁率も.471と高い水準をキープ。さらに本塁打も23本、盗塁も13個をマークしており、自身2度目となる偉業達成への期待も高い。

 そんな男に狙ってほしい記録がある。それが「200本塁打&200盗塁の最速達成」だ。

【200本&200盗塁・スピード記録】
1位 1094試合 バリーボンズ
1位 1094試合 サミー・ソーサ
4位 1163試合 ウィリー・メイズ

 トップは2人が並んでおり、ボンズとソーサの「1094試合」というもの。トラウトはここまで224本塁打&178盗塁となっており、あと93試合で22個の盗塁を決めれば最速記録の更新となる。

 一時は減少の一途を辿っていた盗塁数も、おととしは30個と一気に持ち直し、昨季も22盗塁をマークした。残り87試合のうちにどれだけ迫ることができるか。うまく行けば今季中の達成も不可能ではない。

 開幕直後は良い勢いで飛び出したエンゼルスだったが、負傷者が続出するなかで徐々に停滞。それでも現在40勝35敗の勝率.533というところで踏みとどまっており、まだまだポストシーズンへの可能性を残している。

 数々の実績を残してきたトラウトもポストシーズンはあまり縁がなく、唯一の出場となっている2014年の地区シリーズではロイヤルズに3連敗を喫し、勝利の味を知らないまま幕を閉じる格好となってしまった。

 リベンジのためにも、まずはチーム一丸となってチケットを取りに行くこと。今年もエンゼルスを牽引するマイク・トラウトから目が離せない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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