新天地で活躍を続ける平野

◆ 新天地で覚醒!

 ダイヤモンドバックス(以下Dバックス)の平野佳寿が、渡米1年目から予想以上の活躍を見せている。

 なんと現在25試合連続で無失点という圧巻の投球を続けており、球団新記録を樹立。上原浩治が記録した日本人最長の「27試合」も目前。オリックス時代に通算156セーブを挙げるなど、日本でも屈指のリリーバーとして存在感を示していたが、活躍の場をアメリカに移しても大活躍。チームに欠かせない重要なピースとなった。

 チームも下馬評以上の健闘を見せ、ナ・リーグ西地区首位をキープ。7年ぶりの地区優勝も見据えている。

◆ 最強のリリーフ陣

 実は、今季のDバックスは典型的な投高打低のチーム。1試合の平均得点はほぼリーグ平均だが、チーム打率はナ・リーグワーストの.228と打線のつながりが課題となっている。

 その一方で、チーム防御率はリーグ1位の3.49をマーク。特に優秀なのがその救援陣だ。

 先発陣に限れば、防御率はナ・リーグ15チーム中9位の4.07にとどまるが、救援陣は両リーグを通じてトップ。ナ・リーグでは唯一の2点台(2.53)を誇る。平野はその救援陣の中でも勝ちパターンの7回もしくは8回を担うケースが多い。

 今季ここまで30試合以上に登板したDバックスのリリーバーは平野を含めて7人。防御率順に見ていくと、平野が1.23でチームトップ。次いでセットアッパーを務める左腕アンドルー・チャフィン(1.84)。ロングリリーフの起用も多い左腕のT.J.マクファーランド(2.03)、チーム最多の21ホールドを記録しているアーチー・ブラッドリー(2.08)、左腕のホルヘ・デラロサ(3.28)、クローザーを務めるブラッド・ボックスバーガー(3.68)、平野と同じく移籍1年目のフェルナンド・サラス(3.72)と続く。防御率1点台と2点台が2人ずつ。3点台が3人という内訳だ。

 リーグ屈指の救援陣だが、不安点を強いて挙げるとすれば、守護神を務めるボックスバーガーの投球だろう。守護神としては防御率もいいとは言えず、19のセーブに対して失敗も4つと決して少なくない。今のところは平野、ブラッドリーらセットアッパー陣がうまくカバーしているが、今後は配置転換もあり得るだろう。

【Dバックス主要救援陣の成績】
平野佳寿    :40試合2勝0敗/防御率1.23
チャフィン   :40試合1勝3敗/防御率1.84
マクファーランド:30試合2勝1敗/防御率2.03
ブラッドリー  :40試合2勝1敗/防御率2.08
デ・ラ・ロサ  :32試合0勝2敗/防御率3.04
ボックスバーガー:32試合1勝3敗/防御率3.68
サラス     :39試合4勝4敗/防御率3.72
※7月2日時点(日本時間)

◆ 17年ぶりの世界一へ…

 さて、先にも触れたが、今季のDバックス救援防御率2.53は今季メジャー全体でも1位。この数字は、Dバックスが誕生した1998年以降で3位という好成績だ。ちなみに、1位は2003年のドジャース。2位が13年ブレーブスで、ともに2.46を記録している。Dバックス救援陣は、過去20年で3チーム目となる2.50未満も狙えそうなところにいる。

 ナ・リーグ西地区はDバックスが首位に立ってはいるものの、4位のロッキーズまでは6ゲーム差という混戦模様。今月末のトレード期限に向けて、補強に動くチームも現れるだろう。Dバックスとしては、弱点となっている打者の補強に動く可能性が高い。

 シーズンも残り3か月弱…。Dバックスはその投打がしっかりかみ合えば、2年連続のポストシーズンだけでなく、7年ぶりの地区優勝、さらには17年ぶりの世界一も見えてくるだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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