防御率1点台ながら5勝にとどまってるメッツのデグロム

◆ 19試合で15QSも5勝…

 現地時間11日、メッツのジェーコブ・デグロムがフィリーズ打線を相手に8回を投げ無失点の好投を見せた。しかし試合は0-0のまま延長に突入。10回裏にブランドン・ニモーが劇的な3ランを放ち、メッツがサヨナラ勝利を収めた。

 先発したデグロムは自身の防御率を「1.79」から「1.68」に良化させたが、白星はついていない。今季は19試合に登板し、15試合でクオリティ・スタート(QS=6回以上を自責点3以下)を記録しているのに、勝利数は5勝(4敗)のまま。ちなみに、両リーグを通じて防御率1点台なのはデグロムただ一人だ。要するに、打線の援護に恵まれない試合が多い。

 メッツはすでに優勝争いから脱落しており、先発陣が手薄なヤンキースなどがデグロムを狙っているという報道もある。もし同じニューヨークのライバル球団への移籍がかなえば、ヤンキース打線の強力な援護を受け、勝利数は増加するかもしれない。一方、メッツに残留することになれば、勝利数が2桁に届かない可能性も十分に考えられる。

 ちなみに、ヤンキースのルイス・セベリーノは防御率2.12で、デグロムと同じ登板数(19試合)と投球回数(123回1/3)ながら14勝2敗。目下のところア・リーグの最多勝投手となっている。なお、ナ・リーグの現最多勝は、フィリーズのアーロン・ノラで12勝2敗。防御率は2.27で登板数(19試合)と投球回数(123回)はほぼ同じだ。

◆ 5勝で最優秀防御率…?

 メジャーでは、過去に最優秀防御率のタイトルを獲得しながら、2桁勝利に届かなかった投手もいる。直近では2005年、インディアンスのケビン・ミルウッドが9勝11敗の成績ながら、ア・リーグの最優秀防御率(2.86)を記録している。

 それより前には、1994年にアスレチックスのスティーブ・オンティベロスが6勝4敗、防御率2.65でア・リーグ防御率1位に輝いたが、この年はストライキでシーズンが8月半ばに打ち切られた影響もあった。

 1988年まで遡ると、最優秀防御率のタイトルを獲得しながら5勝に終わった投手が存在した。カージナルスの2年目左腕ジョー・マグレーンは、約2カ月間戦列を離れ、シーズン最終戦で規定投球回数に到達。最終的には24試合に登板し、防御率2.18で生涯唯一の個人タイトルを獲得したが、白星は5勝(9敗)に終わった。

 24試合中19試合でクオリティースタートを達成したものの、やはり打線の援護が少なかった。5勝の内訳は、4試合が完投、うち3試合が完封勝利だった。ただし、翌年には防御率2.91ながら、18勝9敗と、前年から白星を13個上積みし、最多勝争いにも加わっている。

 ちなみに日本では、2002年にオリックスの金田政彦がわずか4勝(9敗)で最優秀防御率(2.50)のタイトルを獲得している。果たしてデグロムは、今季の勝利数をどこまで伸ばせるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

◆ デグロムが8回7奪三振の好投!も…


この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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