迫る“デッドライン”
オールスターゲームが終わり、後半戦に突入したプロ野球。7月も下旬に差し掛かり、気になるのが各球団の“編成”だ。
プロ野球では2008年から7月末がいわゆる“デッドライン”となっており、トレードや新規選手獲得、育成選手の昇格といった諸手続きは今月中に行わなければならない。残された時間はあと10日…。果たして駆け込みで動く球団はあるのか、注目が集まる。
今回はその中のひとつ、「育成選手の支配下登録」に注目。今季ここまでに育成から支配下契約を勝ち取った選手の今を振り返ってみたい。
メルセデスが救世主候補に
今季支配下に昇格した組では、巨人のC.C.メルセデスが話題を集めている。
ドミニカ共和国出身の24歳は7月に支配下登録を勝ち取ると、デビュー戦となった7月10日のヤクルト戦で5回無失点という上々のデビュー。育成出身投手のプロ初登板・初先発・初勝利というプロ野球史上初の快挙を達成した。
メルセデスはつづく7月18日の阪神戦でも7回無失点の好投で2勝目。デビューから12イニング無失点を継続しており、一躍チームの救世主候補として脚光を浴びている。
24歳という若さながら妻子をもち、育成契約を提示されながらも“ジャパニーズ・ドリーム”を掴むべく異国の地へとやってきた左腕。絶対に日本で成功するという強い気持ちを胸に、巨人を後半戦の逆襲へと導く立役者になる。
外国人選手の活躍が目立つ
メルセデスのように、外国人選手が育成から這い上がって結果を残すというパターンは近年増えてきている。今季もメルセデスのほかに中日のライデル・マルティネスや、広島のヘロニモ・フランスアといったところが支配下登録を勝ち取って一軍デビューを果たした。
在籍2年目になるマルティネスは4月に支配下昇格を果たすと、5月6日の阪神戦でNPBデビュー。この時は5回2失点と力投を見せながら黒星がついたが、2戦目の広島戦では6回途中4失点も味方の援護を受けて初勝利を挙げた。
フランスアはカープアカデミー出身の24歳左腕。先発では2試合とも結果を残すことができなかったものの、リリーフに移った6月18日以降に限れば7試合・13イニングの投球で防御率は1.38という安定した成績。5イニングをリリーフした6月26日の巨人戦では打者20人から9奪三振を記録するなど、高い奪三振能力も光る。3連覇に向けた秘密兵器となるかもしれない。
このように外国人選手が印象的な活躍を見せている一方、日本人選手は残念ながら戦力として定着できている選手があまりいない。直近では19日に中日の福敬登が支配下に復帰を果たしたが、夏場の苦しいチームを救うような活躍ができるだろうか。
今季育成から支配下に移行した選手
▼ ソフトバンク
・3月27日 堀内汰門(捕手/131 → 39)
[今季成績] 一軍出場なし
▼ 楽天
・5月5日 久保裕也(投手/091 → 91)
[今季成績] 8試(10.1回) 0勝0敗1ホールド 防3.48
▼ オリックス
・3月19日 榊原 翼(投手/124 → 61)
[今季成績] 2試(1.0回) 0勝0敗 防45.00
▼ 広島
・5月21日 ヘロニモ・フランスア(投手/143 → 97)
[今季成績] 10試(27.0回) 1勝2敗2ホールド 防3.00
▼ 巨人
・3月23日 高木京介(投手/028 → 57)
[今季成績] 3試(5.0回) 0勝0敗 防12.60
・6月16日 サムエル・アダメス(投手/025 → 92)
[今季成績] 5試(8.0回) 0勝0敗 防1.13
・7月9日 C.C.メルセデス(投手/026 → 95)
[今季成績] 2試(12.0回) 2勝0敗 防0.00
▼ 中日
・3月23日 木下雄介(投手/201 → 98)
[今季成績] 8試(10.0回) 0勝0敗 防4.50
・4月19日 ライデル・マルティネス(投手/211 → 97)
[今季成績] 4試(20.0回) 1勝1敗 防5.40
・7月19日 福 敬登(投手/234 → 34)
[今季成績] 一軍登板なし
▼ ヤクルト
・3月20日 田川賢吾(投手/117 → 62)
[今季成績] 1試(1.0回) 0勝0敗 防0.00
・3月20日 大村 孟(捕手/120 → 59)
[今季成績] 7試 率.167(6-1) 本0 点0