苦しむDeNAの左腕トリオ
昨シーズン、新人ながら10勝をマークした浜口遙大(DeNA)が苦しんでいる。今シーズンは故障もあり開幕ローテーションに入ることができず、初登板はゴールデンウィーク明けの5月12日だった。その試合では黒星こそつかなかったものの、5回5失点。以降も勝ち星がつかず、気づけば9試合に先発して0勝2敗となっている。とはいえ、防御率は3.91と極端に悪いわけではなく、展開に恵まれていない部分もあった。
DeNAで苦しんでいるのは浜口だけではない。石田健大、今永昇太の両左腕も思うような結果を残すことができていない。昨シーズンは浜口(10勝)、今永(11勝)、石田(6勝)と3人で27勝をマークしたが、今シーズンはここまででわずか4勝(今永、石田が2勝ずつ)という状況。3年連続となるクライマックスシリーズ進出を果たすためにも後半戦で巻き返したいところだ。
今シーズンはDeNAだけでなく、その他のチームを見ても多くの左腕が苦しんでいる。そのひとりが巨人の田口麗斗だ。
昨シーズンは菅野智之、マイルズ・マイコラス(現・カージナルス)とともに3本柱を形成し、13勝(4敗)をマーク。2年連続となる2桁勝利を達成した。しかし、今シーズンはここまで2勝6敗、防御率4.92と調子が上がらず、7月上旬に登録抹消。広島に独走を許さないためにも、実績のある先発投手は1枚でも多く欲しいところ。勝負の後半戦での復活に期待がかかる。
松井裕樹、武隈祥太らリリーフ陣の復調は!?
リリーフ左腕に目を向けると松井裕樹(楽天)の調子が上がらない。松井は3年連続30セーブ以上をマークし、今シーズンも開幕から守護神として起用されていた。しかし失点を重ねることが多く、セーブ失敗が頻発。セットアッパーへと役割が変更になる。そこでも立ち直ることができず、6月上旬には二軍降格。7月に入り復帰し、徐々にではあるが復調の兆しを見せつつある。
7月17日のロッテ戦ではセットアッパーでもなく、6回から2番手として登板。2回を完璧に抑えチームの勝利に貢献した。翌18日は3番手として2-2の7回からマウンドに上がり、打者3人から2奪三振。この回を10球で切り抜けると、次の回にチームが逆転し、白星を手にした。ここから復活へと突き進んでいきたいところだ。
2014年から4年連続で47試合以上に登板している武隈祥太(西武)も今シーズンは期待に応えることができていない。開幕から好投を続けていたものの、5月26日からの登板7試合中5試合で失点を喫し、二軍降格となってしまう。
およそ1カ月の調整を経て後半戦の開幕から一軍へ復帰するとると、その初戦は1回を無失点に抑える好投を見せた。これからの季節は中継ぎ陣の好投が接戦をものにする鍵となる。10年ぶりの優勝に向け好投を続けられるか注目だ。
DeNAの先発左腕だけでなく、その他のチームでも苦しんでいる左腕は多い。実績十分な投手もいるだけに、このままシーズンを終えることなく、きっかけを掴んで復調することに期待したい。
【前半戦で苦しんだ主な左腕の今季成績】
・浜口遙大(DeNA) 9試合:0勝2敗/防御率3.91
・石田健大(DeNA)13試合:2勝5敗/防御率4.81
・今永昇太(DeNA) 8試合:2勝5敗/防御率6.23
・田口麗斗(巨人)14試合:2勝6敗/防御率4.92
・松井裕樹(楽天)29試合:1勝5敗6H2S/防御率4.91
・武隈祥太(西武)26試合:1勝1敗8H/防御率5.57