プロ初完封で5勝目を挙げ、声援に応える中日・小笠原=東京ドーム(C)KYODO NEWS IMAGES

◆ ともに東海大相模の出身

 中日の小笠原慎之介が、プロ3年目にして嬉しいプロ初完封勝利を挙げた。

 7月28日の巨人戦(東京ドーム)に先発した左腕は、巨人打線を相手に散発の3安打、9つの三振を奪って四死球4つの無失点投球。9回136球の熱投だった。

 また、小笠原にとって特別だったのが、この日投げ合った相手が巨人のエース・菅野智之だったということ。東海大相模高の大先輩であり、今や球界を代表する投手として君臨する男に投げ勝っての完封劇だったのだ。

 実は5月11日の同カードで投げ合っていた2人。その時は菅野が中日打線をわずか5安打に封じる好投で完封勝利。小笠原も7回3失点と試合を作ったものの、先輩に貫禄を見せつけられる格好となっていた。

 ちなみに、菅野と小笠原の投げ合いは今回が3度目。最初の対決も菅野に軍配が上がっており、小笠原にとっては今回が3度目の対決にして“3度目の正直”を果たしたというプレミア付のプロ初完封だった。

◆ セ・リーグを盛り上げる名勝負となるか

 入団からの年数も入団までの道のりもまるで違うとは言え、現時点でのプロでの実績は言うまでもなく菅野の方が上。3度の最優秀防御率に最多勝、最多奪三振といったタイトルを手中に抑え、ベストナインも3度受賞。昨季は悲願の沢村賞も獲得し、まさに日本のエースになりつつある。

 小笠原も高卒ながらプロ1年目から先発ローテーションに入るなど奮闘を見せているものの、タイトルはもとより2ケタ勝利も規定投球回到達も未経験。まずはその両方をクリアするところが目標となっている。

 一方、高校時代の実績はというと小笠原の方が圧倒的に上だ。小笠原は2015年の夏の甲子園で全国制覇を達成。現オリックスの吉田凌とダブルエースを形成し、仙台育英高との決勝戦では現オリックスの佐藤世那から決勝弾も放つ大活躍でチームを優勝へと導いた。甲子園終了後に開催されたU-18・W杯でも主戦として活躍し、防御率0.00と結果も残している。

 対して菅野は甲子園での出場経験なし。2年の春にチームは甲子園出場を果たしているものの、なんとベンチ入りすらできなかったのだ。もちろん、高校時代の日本代表経験もない。

 同じ高校の出身ではあるものの、全く異なる道筋でプロの世界へと入った2人。東海大相模の“先輩・後輩対決”は今後もセ・リーグを盛り上げる名勝負となるか。両者の投げ合いから目が離せない。

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