ニュース 2018.08.01. 14:30

「引退」は言わない…NPB復帰が叶わなかった村田修一の今後

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会見を開いた栃木の村田修一(C)KYODO NEWS IMAGES

来年の挑戦「今の段階では…」


 ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスの村田修一選手が1日、栃木市内で会見を開いた。

 昨オフに巨人を自由契約となった村田。現役続行を目指すも12球団からは声がかからず、独立リーグの栃木に入団。NPBの支配下登録期限となる7月31日までのNPB復帰を目指して戦ってきたが、その願いは叶わなかった。

 会見では「引退」という2文字を口にすることは避けたものの、「NPBに帰ることを目指してやってきた。僕の中では昨日(7月31日=支配下登録期限)が期限だった」とし、「来年、NPBを目指すというのは今の段階では考えられない」と現在の心境を明かした。

 今後については「これからプレーしながら、また然るべきタイミングで報告ができれば」とし、9月9日のシーズン最終戦まで栃木の一員として全力でプレーする旨を宣言。NPB復帰という目標を追いかけながらも「アピールするために野球をやってきたという感じはなく、栃木のファンの皆様や球場に足を運んでくれるファンの皆様のために野球をしてきた」とこれまでを振り返り、「野球の最大の魅力はホームランという気持ちは最後になって強くなってきている。家族のため、応援してくれるファンの皆様のために1本でも多くホームランを打ちたいと思う」と意気込みを語った。


6月には月間MVPを獲得する活躍も…


 東福岡高から日本大学を経て、2002年のドラフト自由枠でプロ入り。横浜では即戦力として1年目から25本塁打を放つなど活躍し、2007年・2008年は2年連続でセ・リーグ本塁打王にも輝いた。

 2012年からは巨人へと移籍。本塁打の数などは横浜時代と比べて少なくなったものの、勝負強い打撃で打線に欠かせない存在として君臨。「勝ちたい。優勝争いがしたい」という想いを叶え、在籍した6年間で3度のリーグ制覇と悲願の日本一も経験した。

 しかし、昨季は新加入のケーシー・マギーが三塁で起用されるようになり、代打での起用がメインに。前半戦は大幅に出場機会を減らしたものの、マギーが二塁に回った後半戦からは再び三塁のレギュラーへ。規定打席には届かなかったものの、118試合の出場で打率.262、14本塁打という成績でシーズンを終える。

 ところが、オフに待っていたのは事実上の戦力外通告。若返りを図るチーム事情から自由契約となると、他の11球団からも獲得を希望する声はあがらず。所属先未定のまま年を越し、結局3月5日にBCリーグ・栃木への入団が決定した。

 新天地では開幕早々に足のコンディション不良などもあってなかなか調子が上がらず、アピールできない日々が続いていたが、時が経つにつれて次第に本領を発揮。6月は月間打率.404、5本塁打、19打点という活躍でリーグの月間MVPを受賞するなど復調。44試合の出場で打率.352、9本塁打、44打点という成績を残し、7月を終える。

 期限が差し迫る中で猛アピールを見せたが、最後の最後までNPB球団から声はかからず。登録期限から一夜明けた8月1日、この会見が開かれることになった。

 NPBでは15年で通算1953試合に出場。2000本安打まであと135本と迫る1865安打を放ち、360本塁打、1123打点を記録。WBCでも日本代表の4番を張った稀代のスラッガーは、再び野球人生の岐路に立たされた。



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