ニュース 2018.08.04. 10:00

甲子園不出場ながら高卒入団で大成したプロ野球選手たち

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いよいよ迫ってきた“運命の一日”
 「甲子園出場」はプロの世界に入るためには重要なファクターだ。しかし中には甲子園不出場ながらもプロ入りを果たし、大きな活躍を見せている(見せた)選手も少なくない。ただ、そうした選手は大学や社会人野球で頭角を現した選手がほとんど。では「甲子園に一度も出ていないにも関わらず高卒でプロ入りし、大成したプレーヤー」で考えた場合、どんな選手がいるのだろうか?


プロ野球史に残るレジェンドたちも…


 甲子園不出場ながら高卒でプロ入りした選手は数多くいるが、やはり大成するのは難しいのだろうか? 日本プロ野球史を振り返ってみると、戦後初の三冠王に輝き、監督としても多くの実績を残した野村克也がまず挙がる。母校の峰山高校はとても甲子園出場できるようなチームではなく、本人も全くの無名だった。しかし南海ホークスに契約金なしのテスト生として入団し、そこから活路を切り開いた。

 日本プロ野球初の3000安打達成者である張本勲も、実は甲子園を経験していない。というのも、浪華商(現・大体大浪商)在学中に2度甲子園出場(春1回、夏1回)を勝ち取ったが、1度目は学内の生徒が刑事事件を起こしたことで出場辞退となり、2度目は部内での暴力事件によって休部処分を受けたからだ。

 また西武黄金期を代表するスタープレーヤーだった秋山幸二(八代)、「満塁男」の異名で愛された駒田徳広(桜井商/現・奈良情報商)も、甲子園不出場ながら高卒でプロ入りを果たし、好成績を残した名打者たち。ほかにも城島健司(別府大付/現・明豊)や新庄剛志(西日本短大付)も同じように甲子園に縁がなかった。

 一方投手では、「神様、仏様、稲尾様」のフレーズが有名な「鉄腕」稲尾和久(別府緑ヶ丘/現・芸術緑丘)が甲子園不出場ながらプロ入りを果たしている。入団当時はあまり高い評価を受けていなかったが、その後の活躍は言うまでもないだろう。また、「まさかり投法」の村田兆治も、福山電波工(現・近畿大学附属広島)高校時代から広島県下で有名な投手だったが、甲子園の出場経験はなし。レジェンドではあの江夏豊(大阪学院大)も甲子園出場を経験していない。

 ほかには広島カープ初の200勝投手となった北別府学(都城農)、数々のNPB最年長記録を持つ山本昌(日大藤沢)も、実は甲子園出場を果たしていないが、高卒でプロ野球の世界へと進んだ大投手たちだ。

 日本プロ野球の長い歴史を考えると、「甲子園不出場ながら高卒でプロ入りし、大成した選手」はそこまで多くないと言える。では、現役の選手たちはどうだろう?


現役選手ではあの記録保持者が……


 現役選手では、今年2000安打を達成したソフトバンクの内川聖一が、甲子園不出場ながら高卒でプロ入りし、大きな結果を残している選手だ。大分工業高校時代に地方大会決勝まで進んだが、残念ながら敗退し甲子園出場とならなかった。その後、横浜からドラフトで1位指名を受けプロの世界に入っている。

 また、西武の中村剛也も甲子園出場経験がない。甲子園の常連である大阪桐蔭高校の出身だが、在籍した3年間は甲子園に出場できなかった。しかし高校通算83本塁打を記録したことで注目され、西武からドラフト2位指名を受け入団している。他にも、打者では広島の外野を支える鈴木誠也(二松学舎大付)やオリックスの中島宏之(伊丹北)、T-岡田(履正社)も甲子園未出場ながらプロ入りし、活躍した選手として挙げられる。

 現役投手では、育成出身として史上初めて日本シリーズで先発し、侍ジャパンの一員としてWBCでも活躍した千賀滉大(ソフトバンク)の名前が挙がる。蒲郡高校時代はエースとして活躍したものの、目立った成績を残すことができなかった。しかし、当時のスカウトの進言もあってドラフト4位で指名されプロ入りを果たした。また、同じソフトバンクホークス所属選手としては、五十嵐亮太(敬愛学園)も甲子園を経験せずに高卒でプロ入りし、結果を残した選手だ。

 現役選手ではこうした選手たちが、「甲子園不出場ながら高卒でプロ入りし、大成した選手」に該当するだろう。現状を踏まえると、打者よりも投手の方が活躍しにくいのかもしれない。

 今年も多くの有力選手が、甲子園出場を果たせずに高校3年の夏を終えた。しかし、その中でもこうして、ドラフトで指名を受け、プロ入り後に活躍している選手もいる。今年のドラフトでは、甲子園不出場ながらも可能性を秘めた原石たちがどれだけ指名を受けるのか――。開幕が間近に迫った今夏の甲子園を楽しみつつ、今秋のドラフトではそんなことにも注目してみたい。


▼ 元選手
<投手>
稲尾和久 別府緑ヶ丘(大分/現・芸術緑丘)
村田兆治 福山電波工(広島/現・近大福山)
江夏 豊 大阪学院大(大阪)
北別府学 都城農(宮崎)
山本昌  日大藤沢(神奈川)

<野手>
野村克也 峰山(京都)
張本 勲 浪華商(大阪/現・大体大浪商)
秋山幸二 八代(熊本)
駒田徳広 桜井商(奈良/現・奈良情報商)
城島健司 別府大付(大分/現・明豊)
新庄剛志 西日本短大付(福岡)


▼ 現役選手
<投手>
千賀滉大  蒲郡(愛知)
五十嵐亮太 敬愛学園(千葉)

<野手>
内川聖一 大分工(大分)
中村剛也 大阪桐蔭(大阪)
鈴木誠也 二松学舎大付(東京)
中島宏之 伊丹北(兵庫)
T-岡田   履正社(大阪)

文=中田ボンベ(dcp)


※訂正
初出時に言及していました「金本知憲(広陵)」は大卒入団のため記事から削除しました。
訂正してお詫び致します。
(2018年8月4日11時50分)

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