ハフが中継ぎへ
昨年と同様、広島の独走状態となっているセ・リーグ。広島が貯金を独占して2位に11.5ゲームの差をつけている一方、その分2位以下は大混戦となっている。
昨季はリーグ最下位に沈んだヤクルトは、ここまで47勝50敗1分の借金3も3位につけており、2位の巨人とも0.5ゲーム差。ただし4位の阪神とも0.5ゲーム差しかなく、まだまだ気の抜けない日々が続く。そんな中、8月に入ってチームはある決断を下した。外国人投手の起用法の変更である。
8月7日のDeNA戦、2点ビハインドの7回に3番手として登板したのは助っ人のデーブ・ハフだった。今季加入した左腕は先発として起用されるも、勝ち運にも見放されて白星を重ねることができず。勝負の終盤へ向け、首脳陣はリリーフ転向に踏み切った。
最初のゲームこそ1回を2失点と慣れないところを見せたものの、2試合目は1回を2奪三振で無失点の好投。11日の中日戦ではイニングまたぎで2点を失うも、2回を投げて先発時代なかなか付かなかった白星が付いた。
信頼度という点ではもうひとつかもしれないが、左でロングもできるという存在は貴重。中継ぎという持ち場に慣れて実力を発揮できれば、チームにとって大きな力となる。今後の起用法も含め、ハフの登板から目が離せない。
カラシティーは先発で変わり身
外国人投手の配置転換といえば、今季はすでにマット・カラシティーの例がある。
来日当初は新守護神として期待を受けるも、4月の半ばには4試合連続で失点を喫するなど不安定な投球が続き、5月に入ると登録抹消。一軍復帰後は気楽な場面での登板で結果を残していた。
そんな中、ひとつの転機となったのが6月9日のオリックス戦である。先発の原樹理が2回で降板となると、その後を受けたカラシティーは5回無失点の好投。超ロングリリーフでチームを救った。
すると、その翌週には来日初先発を任されると、以降は7試合連続で先発として起用されて2勝負けなし。防御率5.30とやや打ち込まれるシーンも目立つ中、ひとつも負けがつかないという不思議な力も発揮している。
最長でも6回までとスタミナ面に課題があることは明白だが、デービッド・ブキャナンや小川泰弘らとともに先発ローテーションを支える存在となれば面白い。
波のあるチームではあるが、交流戦最高勝率にも輝いているように一度ノリ出すと手がつけられなくなる今年のヤクルト。リーグ最下位、球団史上ワーストの96敗という屈辱を経て、昨季の悔しさを晴らすシーズンとできるか。後半戦のカギを握る“役割が変わった2人の助っ人投手”に注目だ。