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“不動”と“転換”…ヤクルトと巨人のリリーフ事情

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ヤクルトの守護神・石山泰稚 (C) KYODO NEWS IMAGES

勝負を分けたポイント


 いよいよペナントレースも佳境。セ・リーグは広島がマジックを1ケタの「9」まで減らし、球団初のリーグ3連覇へとひた走る一方、2位以下は大混戦。最下位の中日から3位の巨人までも「3.5」の差しかなく、クライマックスシリーズ進出権をかけた争いは最後の最後まで続きそうだ。

 9月11日からは2位につけるヤクルトと3位で追う巨人の直接対決が開戦。第1戦はヤクルト・小川泰弘と巨人・メルセデスの両先発が白熱した投手戦を繰り広げ、1点を争う攻防に。終盤にヤクルトがメルセデスを追い込んでマウンドから引きずり下ろすと、2番手のアダメスから3点を奪って逆転勝ちを収めた。

 勝負を分けるポイントになったのが、好投の先発からバトンを受けたリリーフ投手。巨人はメルセデスが力投を見せながらも8回にピンチを招き、無死一・二塁からアダメスを投入。山田哲人は味方の好守にも救われて内野ゴロに斬るも、パスボールで勝ち越し点を献上。さらにバレンティン、大引にも適時打を許し、重すぎる3失点を喫してしまった。

 一方のヤクルトは小川が8回を1失点で仕事を果たし、9回は守護神・石山泰稚にスイッチ。危なげなく3人で試合を締め、チームに勝利をもたらしている。


柱がリーグ登板数ワン・ツー独占


 ひとつの勝ち負けが大きく戦況を変えるセ・リーグの大混戦。激しいCS争いを勝ち残るためには、確実に勝利を手繰り寄せるブルペン陣の整備が不可欠になってくる。

 リリーフ陣の整備が、そのまま結果に直結しているのが今年のヤクルトだろう。昨季は球団ワーストの96敗を喫する屈辱を味わうも、その悔しさをバネにチームを一新。勢いを失いかけたこともあったが、セットアッパーに近藤一樹、クローザーに石山泰稚がハマったあたりから再び上昇気流に乗り、そのままセ・パ交流戦の最高勝率に輝いた。

 石山はその交流戦で10試合に登板して7セーブ、防御率は0.00という驚異的な成績をマーク。ほかにも、2年目左腕・中尾輝の台頭などもあって、安定した戦いぶりを取り戻している。

 ここまで近藤がリーグトップの63試合、石山はリーグ2位の59試合と登板数がかさんでいる点は気がかりではあるものの、裏を返せばそれだけの安定感を誇り、首脳陣からの信頼も厚いということだ。


配置転換で化学変化を


 一方、ヤクルトとは対照的に方程式の再構築を強いられてしまっているのが今の巨人だ。

 開幕当初はカミネロとマシソンの両助っ人に、帰ってきた上原浩治、そして沢村拓一という4人の軸となる存在があった。ところが、カミネロと上原は不振で二軍再調整となり、クローザーに入ったマシソンは故障で戦線離脱。唯一残った沢村も大事な終盤戦に入ってピリッとしない内容が続き、二軍落ちを命じられた。

 マシソンとカミネロはともに手術を受け、今季中の復帰は絶望的。そんなこともあって、支配下から昇格したばかりのアダメスに白羽の矢が立つも、11日のヤクルト戦でも見られたように走者を出した時の投球に不安がある。シーズンも残り1カ月となったこのタイミングで、高橋由伸監督は山口俊のクローザー転向を決断した。

 山口は9月8日の阪神戦で6点差の9回に登板。久々のリリーフ、それも9回の登板ということもあってか自らの守備のミスも絡んで1点を失ったものの、久しぶりに試合の最後を締めた。

 また、昨季はルーキーイヤーながら6勝(4敗)を挙げて先発陣を支えた畠世周が11日に一軍昇格。手薄なリリーフの一角として起用されることが見込まれており、チームをCSに導く救世主として期待がかかっている。


 開幕から不動の“2本の矢”で完走を目指すヤクルトと、危機的状況を配置転換によって乗り越えようとしている巨人。対照的なリリーフ陣を持つ2チームの残り1カ月から目が離せない。

 


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